「バルサを進化させた」ルイス・エンリケ。指導者講習時に叩き込まれていた戦術コンセプトの定義
2015年10月19日
コラムバルサのモデルを進化させる必要性
ルイス・エンリケは前任者たちが構築してきた哲学、システム、プレーモデルの系譜にしっかりと敬意を払いながらも、新たなモデルで人々に魅力を感じてもらえるようなチームを作るべく、多くの仕事に挑む覚悟を持っていた。最終的に、ヨハン・クライフ、ルイ・ファン・ハール、フランク・ライカールト、ペップ・グアルディオラたちが過去に取り組んだのと同じように、ルイス・エンリケもクラブのプレーモデルを改革しなければいけなかった。
ルイス・エンリケは監督就任会見において、2014-15シーズンのFCバルセロナはいつも通り魅力的かつ効果的なサッカーで、攻撃的にプレーしていくと説明した。同時にしっかりと守備をすることを宣言し、チームの助けになると思うものは積極的に取り入れる姿勢を示した。
そうした発言をしながらも、基本システムとして1 -4 -3 -3があり、観客の大部分がバルサのスタイルと考えるコンセプトをまずトレーニングすることは前提として認識していた。クラブの理事会、選手、メディア、サポーター、対戦相手といった全ての人の関心は、彼独自のプレービジョンがどういったもので、それが黄金期を作ったペップ・グアルディオラのものと具体的にどう違うのかということであった。
そういった質問に対する回答は、周囲に漂っていた関心に対する答えとしてはそれほど明確なものではなかった。もちろん、会見の発言だけで全てがわかるわけではない。そもそもルイス・エンリケがチームに植えつけようとしていた要素を自動化するためには時間が必要だった。
とはいえ、監督が求めるサッカーをチームはすぐにピッチで実践し始めた。それは監督が望むサッカーに必要な選手を補強したから可能なことだった。たとえば、GKは足元の技術があり、高いポジショニングを取るサイドバックに正確なロングキックを蹴れる選手が求められていた。
そのサイドバックはウイングのような役割を果たし、センターバックはビルドアップの能力を持っていなければいけない。そしてこれまでのバルサとは少しタイプの異なるミッドフィルダー、生粋のストライカーがルイス・エンリケのサッカーには必要だった。(続きは『ルイス・エンリケ 最適解を導き出す信念と信頼のリーダーシップ』でご覧ください)
<関連リンク>
・「監督以上にリーダーである必要がある」バルサ監督 ルイス・エンリケが語るトップに立つために必要な能力とは
プロフィール
著者:
リュイス・ラインス
1954年、バルセロナ生まれ。『ラ・バングアルディア』、『アス』の元編集員。1996年から2010年までFCバルセロナでテクニカルスタッフとして働き、ロブソン、ファン・ハール、セラ・フェレール、レシャック、アンティッチ、ライカールトといった監督に従事する傍ら、強化部スタッフの仕事を兼任する。現在は、ジャーナリスト、コメンテーターとして活動している。
監訳:
小澤 一郎
(おざわ いちろう)
1977年、京都府生まれ。サッカージャーナリスト。早稲田大学卒業後、社会人経験を経て渡西。バレンシアで5年間活動し、2010年に帰国。日本とスペインで育成年代の指導経験を持ち、指導者目線の戦術・育成論やインタビューを得意する。
【商品名】ルイス・エンリケ 最適解を導き出す信念と信頼のリーダーシップ
【発行】株式会社カンゼン
【著者】リュイス・ラインス
【監訳】小澤一郎
四六判/296ページ
2015年10月19日発売予定
※発売日は変更になる場合がございます。
⇒バルセロナの現監督、ルイス・エンリケ初の評伝。現役選手時代から監督としてFCバルセロナで三冠を達成するまでの彼の道筋を辿っていく。
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