「バルサを進化させた」ルイス・エンリケ。指導者講習時に叩き込まれていた戦術コンセプトの定義

2015年10月19日

コラム

バルサのモデルを進化させる必要性

 監督としてのキャリアをスタートした時、ルイス・エンリケはラス・ロサスの「シウダ・デル・フットボール」で教えてもらった理論、実技の知識以外のものもすでに持っていた。彼はより重要なものをたくさん蓄えていたのだ。そして彼は、40年以上に渡り一つの哲学、一つのシステム、一つのプレーモデルにこだわってきたFCバルセロナというクラブに監督としてやってきた。このクラブのモデルは、彼自身が選手として8シーズンに渡りその発展を見届けてきたものだ。

 現役を引退してからからは10年が経っており、彼はその10年のうち5年間監督としての経験を積んできた(そのうちの3年はFCバルセロナBの監督として)。そうした経験を持つルイス・エンリケは、時代遅れの考えを時代に応じて進歩させてきたことで成功をおさめ続けてきたバルセロナのトップチームを率いるという命題に立ち向かうことになった。

 彼の前に立ちはだかった大きな問題は、構造的なものではなかった。それは機能性の問題であり、時期的なものであった。クラブの歴史からしても最盛期と呼べるサッカーを体現した選手の大半がすでにクラブを去っていた。それ以外にも年齢を重ねた選手がいて、彼らは最高のパフォーマンスを披露できるレベルを維持できなくなっていた。

 そのうえ、オーケストラの新しい楽団は、新たな楽譜にある高い要求に改めて適応する必要があった。というのも、古い楽譜はすでに世界中の人間が熟知しているものになってしまったからだ。

 今や全ての対戦相手が、FCバルセロナがどのようにプレーするのかを熟知しており、結果として彼らはバルサを相手に戦っても手こずらないようなやり方を身に付けていた。実際、グループの中には単調な一面が現われており、いつも同じサッカーをすることで、対戦相手がプランニングしてくる問題に対する解決法を見出せない状況に陥っていた。

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