【日産カップ争奪 第42回神奈川県少年サッカー選手権大会】決勝レポート
2016年02月15日
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伝統の「日産カップ争奪 第42回神奈川県少年サッカー選手権大会」、低学年の部は横浜F・マリノスプライマリー、高学年の部はバディーサッカークラブが制す
(文・写真●山本浩之)
2月14日(日)に「日産カップ争奪 第42回神奈川県少年サッカー選手権大会」は、横浜市港北区の日産スタジアムで決勝が行われた。
低学年の部の決勝は、横浜F・マリノスプライマリー(以下、プライマリー)とバディーサッカークラブ(以下、バディー)が対戦した。バディーは序盤からディフェンスにおいてチャレンジ&カバーを徹底してプライマリーの攻撃を封じると、前半残り1分になったところで得たセットプレーのチャンスをものにし、先制に成功する。15番・三橋拓真くんの放ったフリーキックのボールをゴールキーパーがはじくと、そのこぼれ球を17番・柳沼俊太くんがゴールに押し込んだ。一方のプライマリーは、後半になってもバディーの堅守に苦しんでいたが、後半14分に、これまでいい形でボールの収まらなかったストライカーの7番・齋藤俊輔くんが右サイドから抜け出すと、角度のない位置から打ったシュートは、前に出てきたゴールキーパーを越えてゴールマウスへと吸い込まれる同点弾となった。
「齋藤は、準決勝でも(ゴールを)決めてくれて、チームの勝利に貢献することのできる選手です。決勝では、前後半をバディーに押し込まれて苦しかったのですが、齋藤がスピードのあるプレーでうまくゴールを決めてくれました」とゴールキーパーを務める福井大次郎キャプテンも絶賛するゴールだった。
この齋藤くんの得点によって振り出しに戻った決勝戦。試合は5分ハーフの延長に突入しても決着はつかず勝負の行方はPK戦へと委ねられる。先行はバディーとなり、プライマリーのゴールマウスを守るのは、キャプテンの福井くん。そのバディーの1本目のシュートを福井くんが止めた。
「5番のケンシン(小野澤謙真くん)から『左寄りにポジションをとって右を空けておいて、相手が蹴ったら右に飛ぶんだよ』ってアドバイスをもらっていたんです。その通りに動いたらセーブすることができました。だから、あれはケンシンのおかげなんです」と謙虚に語る福井くん。結局、このファインセーブによって、プライマリーはPK戦を5-4で飾り、低学年の部の優勝旗を手に入れた。
続く高学年の部の決勝は、バディーサッカークラブ(以下、バディー)と横浜F・マリノスプライマリー追浜(以下、プライマリー追浜)の顔合わせとなった。
「(バディーの)低学年が決勝で負けてしまい優勝できなかったので、僕たち6年生全員が4年生の思いを背負ってピッチに入りました」とキャプテンを務める9番の杉田隼くんの言葉通りに、バディーは序盤からダイナミックなドリブルと当たり負けのしないパワフルなプレーによって、ゴールに向かっていく強い気持ちを見せた。だがプライマリー追浜の厚い守備の前にゴールマウスを割ることができずにいると、逆にプライマリー追浜の連動性あるテンポの良い攻撃にに手を焼くシーンも見られた。それでもバディーはプライマリー追浜に前後半の40分間で1本のシュートも許さなかった。前後半をスコアレスで終えて、延長に突入すると、試合が動いたのは延長前半3分のこと。バディーは4番・岡本一真くんからのコーナーキックのボールを8番・品田希望くんがゴールマウスに押し込んだ。バディーは前後半の40分、圧倒的に攻め込みながらもゴールを決めることができなかった。だからこそバディーは「絶対にゴールを奪う!」と、全員で気合を入れて延長戦に臨んだのだという。やがて残り時間が1分となったところでも、バディーはゴールへの強い気持ちをみせ、20番・宮下渓太くんのシュートが決まり2-0と得点差を広げると、まもなく主審のタイムアップを告げる笛が吹かれた。
1月16日に開幕した「日産カップ争奪 第42回神奈川県少年サッカー選手権大会」は、低学年は横浜F・マリノスプライマリー、高学年の部はバディーサッカークラブの優勝で幕を閉じた。3月に卒業を控える6年生にとっては、今の仲間と一緒にサッカーを楽しむのは残りわずかとなったことだろう。バディーの高橋伸忠監督は「ジュニアユースになると、苦しいこともたくさんあると思いますが、今までと同じように、目の前のことに、ひとつひとつ向き合って、笑顔で一生懸命に取り組むことを忘れずにがんばってほしいと思います」と巣立っていく教え子にエールを送った。
■低学年の部・優勝 横浜F・マリノスプライマリー・田端悠監督のコメント
決勝では、攻守にわたって、お互い(バディーとプライマリー)にいいプレーがありましたね。そんななかでも勝つことができたのは正直に嬉しかったです。両チームが相手の長所を潰しながらゲームを進めていきました。特に相手の背後をつくプレーを狙っても、ボールを跳ね返されてしまい、子どもたちはグラウンドのなかで迷っていたのかなという印象がありました。子どもたちにとっては、自分たちのプレーができない苦しい状況でしたが、しっかりした守備をすることはできていました。今回の優勝は、子どもたちにとっても嬉しかったと思いますが、いつも「世界で活躍できる選手を目指している」と言っているので、この結果に満足せず、夢や目標に近づけるように、これからも努力と競争を続けてほしいと思っています。
■高学年の部・優勝 バディーサッカークラブ・高橋伸忠監督のコメント
積極的にゴールへと向かう意識が決勝ではでていましたので、シュート数も多かったようです。それでも、なかなか得点をすることができませんでした。前半はあわてたプレーが多く、長いボールに頼りがちでしたので、「もう少しピッチを広く使ってサイドから勝負をする」ということと、「もっといろいろなことができるので自信をもってトライすること」を選手には伝えました。この一年間を振り返ってみると、選手一人ひとりがサッカーに真面目に取り組んで、ハードワークをしながら助け合ってきたと思います。課題としては、プレッシャーがきついなかで早い判断を正確にするという部分でしょうね。ジュニアユースでも通用する選手になるために、レベルアップを心がけてもらいたいところです。
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