意外と知られていない!? サッカー現場でよく起こる“歯のケガ”

2016年04月13日

コラム

歯が折れる「破折」のメカニズム

――その「脱臼」の対処法としては、どんなことができますか。

 まずは何よりも応急処置が大切です。出血が見られる場合は、その部位をきれいなガーゼなどで圧迫止血し、血を拭きとって、損傷部をよく観察し、状況把握に努めます。そして無理に元に戻そうとはせず、すぐに歯科医院へ連れて行きましょう。もし、一見何もなさそうでも、しっかりと病院で検査してもらうことが大事です。

 また完全脱臼の場合は、不完全脱臼よりも注意しなければいけないことがいくつかあります。それは、まず抜け落ちてしまった歯の根の部分は触らないようにしてくださいということ。そして汚れている場合でも、決して石けんや洗剤で洗ってはいけません。できれば、歯の保存液や、生理食塩水、コンタクトレンズの保存液、牛乳などで軽くすすぐ程度がいいです。ただし、完全に汚れを落とそうとして長時間洗うのはいけません。その後、乾燥を避けて、保存液か牛乳につけて持っていきましょう。あと、自身の口の中に入れておくことも一つの方法です。ただし、これについては、あまりに小さいお子さんの場合は飲み込んでしまう危険性もあるので、優先順位は一番下になってきます。

――次は「破折」についても教えてください。

 生えてから年数が経っている乳歯や永久歯では、脱臼よりも破折が起こる率が上がってきます。破折には、歯冠破折(歯の上の方で折れている状態)、歯根破折(埋まっている根のほうで折れている状態)の2つがあります。歯冠破折の場合、折れてしまった歯を完全脱臼のときと同じように歯の保存液や、生理食塩水、コンタクトレンズの保存液、牛乳などで軽くすすぎ、その後、乾燥を避けて、保存液か牛乳につけるか、自身の口の中に入れて、すぐに病院へ行きましょう。

 歯根破折は、完全に折れた歯が抜けてしまっている場合は、歯冠破折と同じように対応します。もし抜けていない場合は、脱臼と似たようなグラグラしている場合もあるので、止血をしながら、すぐに病院に行き、検査すべきです。

 これらが起こる理由としては、プレー中の意図しない外力によるものがほとんどです。先述したように、サッカーはコンタクトスポーツであり、相手との接触やボール、もしくは味方ともぶつかることは当たり前ですから。もちろん、地面やゴールポスト、コーナーフラッグもその一因になってきます。

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