FCバルセロナ育成メソッドの特長と今後の日本での展開は?
2016年06月15日
インタビュー変わってきた現地バルサの考え
――バルサキャンプの特長は?
浜田 サッカーキャンプの目的は、「サッカーを楽しむ」ことを一番のテーマにしているところが多いように思いますが、日本で開催するバルサキャンプは真剣勝負のサッカーキャンプでありつつ、楽しむことも追及するという感じで、参加する選手にも真剣さを要求します。
実は、世界30箇所で年間200本行われているバルサキャンプも、「サッカーを楽しむ」ことがテーマになっていますが、日本のキャンプだけは真剣勝負の場になっています。コーチもハイレベルのコーチが複数人来日します。
10年前、日本でバルサキャンプを始めるときに、私が現地バルサに日本のジュニア選手の高い意識のニーズを伝えたこともありますが、来日するバルサコーチが日本人の真剣さに気付き、本国に日本でのキャンプに参加するの子供たちの質について報告していることが大きいです。
――今後の日本での展開は?
浜田 現地バルサの考え方が変わってきました。例えば何年か前までは、バルサスクールでは、選手のレベルによってチーム分けはしていませんでした。
スペインでは、同じ学年であれば誰でも同じように学ぶことによって、1年後には上手な選手が技術の劣る選手を引き上げ、上手な選手についていこうと下手な選手は頑張る、という考えがあるのです。しかし日本のバルサスクールは昨年からレベルによってクラス分けしたいと提案していました。最初は許可がでなかったのですが、最終的にはバルサもその考え方を受け入れて、エリートクラスや特待生が誕生しました。
このスクールのピラミッド型の考え方は、いまでは世界のバルサスクールでも採用しています。これは、FIFAの規則で18歳以下の海外選手を採用できなくなったことが大きな要因です。
これまでは優秀な選手を集めてくればよかったのですが、それが出来なくなってたわけです。将来バルサでプレーできる選手は、海外で育てなくてはいけないという考えがあり、海外のバルサスクールも真剣にならざるを得ないでしょう。
特に日本で開催するキャンプやスクールについては、現地バルサはさらに本気で取り組んでくることでしょう。
――ありがとうございました。
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