「子どもたちが自分自身で物事を考えられる環境を」元日本代表・城彰二氏が語る育成論

2016年07月08日

インタビュー

アジリティの低い子へのアプローチは?

――少し話が変わってしまうのですが、城さん自身現役時代に海外でプレーした経験しています、日本人が海外でプレーするうえで重要だと思う部分はどこですか?

 インテルの分析のなかにもあるのですが、アジリティ、ステップワーク、俊敏性といった部分では、日本の子どもたちは、ものすごく高いのです。世界基準で考えても。ただ、それがジュニア・ジュニアユース年代までの話で、それ以降伸びていないというデータが出ています。

 その原因がなにかということも実はわかっていて、それは頭の部分なのです。サッカーの本質を知らないということなんです。ポジショニングを知らなかったり、考えるアイディアがなかったり。

 僕も海外でプレーした経験があるとはいえ、日本で育ちましたからわかるのですが、日本は決まりごとが多くあって、平均値をすくって「これはこういう風に蹴るんだよ」とか「これはこうするんだよ」というものをつくってしまいすぎているのではないのかと。そこがインテルの分析でも、僕自身も海外に行き、多くの選手を見た経験のなかで感じた部分です。日本人選手には、考えてアイディアを出し、それを実践するという能力が少ないと感じています。

――日本人はアジリティが高いことが特徴だとおっしゃっていましたが、日本人でも、アジリティが低い子もいます。そういった子たちにはどのようにアプローチしていますか?

 もちろんインテルアカデミーにも、アジリティの低い子はたくさんいます。しかしインテルの場合ですと、サッカーをメインに教えてはいますが、人間育成や個々の能力を伸ばしてあげることを重要視しています。サッカースクールというと、技術に特化していると思われがちですが、インテルでは、サッカー自体をうまくするというところだけではないということを考えてもらえれば。

 ただ運動能力は、幼稚園児あたりから小学生年代までの間は、非常に伸びる時期なので、様々のボール遊びなどを通じて運動動作を培っていくっていうのがインテルのやり方のひとつです。逆に、スキルがある子に関しては、同じメニューのなかでも差別化して、課題を少し難しくしたりしてアプローチしています。

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