「子どもたちが自分自身で物事を考えられる環境を」元日本代表・城彰二氏が語る育成論

2016年07月08日

インタビュー

日本代表として98年フランスワールドカップにも出場、現在はインテルアカデミージャパンでテクニカルディレクターを務めている城彰二氏に、キッズやジュニア年代の選手たちを指導するうえで心がけていること伺った。

取材・文●高橋大地(ジュニサカ編集部)

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大切にしてるのは子どもたち一人ひとりを見てあげること

――城さんが、幼稚園児や小学生の子どもたちにサッカーを指導するうえで大切にされていることはなんですか?

 まずは、サッカーを楽しむということ、本気でサッカーを好きになってもらうことです。やはりサッカーは、好きだからこそ続けられるし、好きだからこそ難しいことにも取り組む気持ちが生まれる。そういう感覚が、幼稚園児や小学生を教える上で大切だと考えています。それと、子どもたちが自分自身で物事を考えられる環境をつくるということですね。

――それを実践するために工夫していることはありますか?

 重要なのは、子どもたち一人ひとりを見てあげるということです。一人ひとりのスキルだったり性格を把握して、それをミーティングなどで話して、トレーニングにも落とし込んであげることが一番重要なのかと。そういった一人ひとりの分析は、非常に細かくしています。プレーの部分はもちろんですが、この子はちょっと言ったら泣いちゃうなとか、この子は元気だなとか、そういった内面的なところまで、常々見ながら指導しています。

――多くの子どもたちを指導されていると思うのですが、一人ひとりの特徴を把握するのは大変ではないですか?

 今、指導しているインテルアカデミーでは、一人のコーチにつき20名までしか指導できないという決まりがメソッドの中にあります。私自身もいろいろな場所でサッカーを教える機会がありますが、一人で100人以上を見るとなると、中々、一人ひとりの特徴を理解して伸ばしてあげるという部分が難しくなります。

――20名というのは、やはりトレーニングの強度などを考えてですか?

 もちろん、トレーニングの強度とかもありますが、コーチの負担を減らすという部分があるようです。コーチが名前を覚えたり、子どもたちの特徴を把握するうえでの最大人数が20人、ということが現地イタリアのインテルのなかでの昔から決まりごとなのだそうです。子どもたち一人ひとりのことを考えれば20人は非常にいい人数設定だと思います。

――なるほど。確かに子どもたちも楽しみながらも集中して練習しているように見えます。

 そうですね。いま練習しているのは、バンビーニクラスという幼稚園児たちのクラスなのですが、最初は大変でしたよ。(笑)年少さんは、練習に来てピッチで寝ちゃうとか、大泣きしながら練習に来たりね。それが特例というわけではなく、そういう子は実際多いのです。しかし、そういった子たちも年長さんになると、こうして楽しみながらも集中して練習に取り組み、ほぼ完璧にいろいろなことができるようになるのです。

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