反骨心と向上心を感じさせる日本代表・原口元気選手。「生意気だった」少年の成長記
2016年10月07日
コラム少年時代にはGKも経験
それだけの逸材なのだから、一番強いところでやらせたい……。そう考えた一さんは、元気少年が小学校に入学するや否や、自宅から車で約20分の距離にある埼玉県屈指の強豪・江南南スポーツ少年団に通わせることを決めた。
この少年団を束ねる松本総監督は少年指導歴40年を超える大ベテラン。しかしサッカー競技歴はなく、野球をやっていたという変わり種だ。その分、異種独特の目線で子どもを見ることができる。そんな人物にとっても、初めて見た元気少年には驚かされた。小1にもかかわらず、大人びたプレーをする彼の一挙手一投足に釘づけになったのだ。
「『小さいのにサッカーをよく知っているな』というプレーをしていましたね。ドリブラーでありながら、周りが見えていてパスも出せる。オールラウンドの能力があるのはすぐに分かった。『この子を同学年のチームでやらせてもしょうがない』と担当コーチと話して、上の学年に入れてプレーさせました。元気は小3で小6の大会に出ていましたね。ちょうど1つ上に新井涼平(ヴァンフォーレ甲府)、3つ上にGKの笠原昴史(水戸ホーリーホック)もいたので、そういううまい選手の中に入れた方がプラスになると思ったんです」(松本総監督)
江南南では低学年のうちはさまざまなポジションを経験させる方針を採っていて、元気少年はGKにもトライ。かなり本気で取り組んだようだ。
「飛んだり跳ねたりするのが楽しかったんです。家に畳の部屋があって、そこでボールを壁にぶつけて跳ね返ってきたのを自分で取るというのを結構やってました。少年時代の憧れのGKは能活(川口=FC岐阜)さん。華やかでカッコいい感じがして、真面目にGKになりたいと考え始めました。でも親父に『ダメだ』と一蹴されましたけどね」と原口は笑う。一さんがそう言ったのも、息子には自分と同じフィールドプレーヤーで輝いてほしいと思っていたからだろう。
両親が共働きで忙しかったため、祖父・富夫さんに送り迎えしてもらいながら、元気少年は心から楽しんでサッカーに打ち込んだ。江南南が個で打開できる選手を育てるポリシーを持っていて、ドリブル第一のトレーニングをしていたことも、彼の琴線に触れた。
「江南南は低学年まではドリブルを徹底させるんです。1人がドリブルしたら他のみんながついていって、その選手がこぼしたら次の人間がドリブルを始めて、他の人が追いかけるといった練習はよくやりました。事実上のパス禁止令もありましたよ。
基礎練習も多かった。ドリブルのインサイドやアウトサイドのタッチはもちろん、1対1も相当やりました。本当にドリブルがうまくなりたいんだったら、1対1をたくさんやることは大事。相手がいない中でやっても意味がないから。それも、かわすドリブルじゃなくて、ゴールに向かっていくドリブルを繰り返した。自分の長所を磨くうえで、ドリブルがうまくなる環境で育ったことがすごくよかった」と原口自身も改めて感謝していた。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- “早熟タイプ”か“晩熟タイプ”か。成長のピークはいつ訪れる? 子どものタイプを知ろう!!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。
- 【第37回全日本少年サッカー大会】三重県大会 決勝レポート「最後まであきらめない気持ちで試合終了間際に得点した、大山田サッカースポーツ少年団が優勝!」