Jデビューを飾った久保建英選手は何がすごいのか/編集長の眼

2016年11月07日

コラム

なぜ久保建英選手は“すごい”のか

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【バルセロナ時代の久保選手(写真:ジュニサカ編集部)】

 とはいえ、初めての取材当時は、まだまだ9歳の少年。小学生年代で才能があると言われながら、のちにプロとして大成した選手をそう多く見てこなかったこともあり、本当にどうなるかわからないので、ただただ見守るしかありませんでした。

 その後、10歳でバルセロナの下部組織に進んだ久保選手。バルサに渡った後は、一気にプレーを見る機会が減りましたが、シーズンオフで帰国しているときに、偶然にも本人のプレーを見る機会がありました。あるフットサル大会に取材に行ったとき、たまたま一つ上の学年のチームに助っ人で久保選手が交じって参加していたのです。そのときに見た、久保選手は衝撃以外の何物でもありませんでした。

 小学3年時に見たプレーよりも、「個」の技術に加え、明らかに判断力の部分が向上していました。ただでさえ、速い判断力が求められるフットサルの中で、久保選手の判断力は、図抜けていました。それと、正確な速いスピードのインサイドパスを多用していたのも印象的でした。2013年に「ジュニアサッカーワールドチャレンジ」でバルセロナの一員として凱旋したときもさらに才能が磨かれたという印象でした。ゴールへのどん欲さもあり、味方にはボールを強く要求するシーンもよく見受けられました。そういった意味では、バルセロナでの経験は本当に大きかったことでしょう。

 こうしてU-10、U-12年代と、その成長ぶりを少しでも見てきたからこそ、ジュニア年代で養うべきものは何かを考えさせられる、いいきっかけになった選手のひとりです。やはり、小学生年代から「止める・蹴る・運ぶ」技術だけでなく、「ボールを受けるときの体の向きやポジショニング」「まわりを見ることの習慣づけ」「次のプレーを意識したコントロール」「ドリブルとパスの選択肢から判断・実行する力」などサッカーに具体的に必要な要素を伸ばすことも、本当に重要な部分です。

 久保選手は、本当にこれからの選手ですし、過剰な期待も禁物です。しかし、15歳というジュニアにも近い年齢の部分で、育成の観点から見ても参考になるプレーはたくさんあります。単に「Jリーグ新記録」「15歳でJデビュー」という言葉だけに帰結するのではなく、久保選手がなぜ上のレベルのカテゴリーでプレーできているのかを見極めながら、我々も発信していきたいです。そして、指導者の方々からも伝えられることがあれば、どういうプレーが同年代の選手と違うのかなど、ぜひ子どもたちにもより具体的に伝えてほしいと感じます。


 

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