“強者を倒すための戦術”の磨き方。新型ハイプレスの最先端

2016年11月08日

コラム

『強い相手に強い』ビエルサ流の流れを汲むものたち

 一方、セビージャ、セルタ、トッテナムはビエルサ派ともいうべき傍流に色分けされる。マルセロ・ビエルサ監督は90年代にルイ・ファンハール監督が率いていたアヤックスに感銘を受け、独自のメソッドを作って再現を図った。

 ビエルサが最初に率いたニューウェルス・オールドボーイズでプレーしていたのがマウリシオ・ポチェッティーノとエドゥアルド・ベリッソで、現在はそれぞれトッテナム、セルタを率いている。ビエルサ監督が土台を築いたチリ代表を引き継いでコパ・アメリカ初優勝を成し遂げたホルヘ・サンパオリもニューウェルスの出身だ(今季からセビージャの監督)。ビエルサと直接の関係はないようだが、熱烈なビエルサ信者として知られている。

 アヤックス直系と、ビエルサ派の戦術は基本的には同じといっていい。ただ、ビエルサ派はリーグ中位クラスの指揮を執ることが多い。そのためこれまで大きなタイトルを獲っていないのだが、「強い相手に強い」特徴は遺憾なく発揮してきた。

 セルタは昨季のホームでバルセロナに4─1と圧勝、今季も4─3で勝っている。バルセロナに勝つにしても、毎度4ゴールというところに「強い相手に強い」特徴がよく表れている。エスパニョールを率いていたころのポチェッティーノもバルセロナには強かったし、今季はセルタがバルサを破ったのと同じ日に、ポチェッティーノ監督率いるトッテナムがペップのシティを粉砕した。彼らの師匠ビエルサが監督だったアスレティック・ビルバオがバルサに引き分けた試合も伝説的な一戦である。

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【写真左:ホルヘ・サンパオリ(セヴィージャ)写真中:マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)写真右:エドゥアルド・ベリッソ(セルタ)はいずれもアルゼンチン人で、マルセロ・ビエルサ監督から影響を受けている】

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