【第40回全日本少年サッカー大会】 レノファ山口、サガン鳥栖から読み取れたJクラブの一貫したサッカーの芽生え/決勝大会レポート
2016年12月28日
大会情報ショートパス主体のスタイルに自分たちの個性をプラス
レノファ山口は1次ラウンドで敗退したが、彼らが表現したサッカーは近年トップチームが見せる、観客の喜ぶゴールの陥れ方と同じだった。小気味好くショートパスをつなぎながらペナルティエリアに侵入し、GK頼みではセーブできないほど守備陣を崩し切ってシュートを決める。失点した相手はぐうの音も出ない。1次ラウンドでは1得点に終わったが、シュートパスでゴールへ迫る姿とその過程におけるイメージの共有はトップチームを思わせた。
実際に、1次ラウンドで敗退後に行われたフレンドリーマッチでは大量得点を奪い、ゴールを決めるたびに観客席を唸らせていた。どの選手も勢いよくチェックをかけてくる相手をブラジル人のような足裏さばきで切り返し、味方の動きを見つつ彼らに「次のプレーをどうしようか」と笑顔で相談するかのようなプレーは心躍らせた。だからか、周囲の味方もそれに呼応して楽しげに動き出す。そこには意思が存在し、「次のプレーはこうやろうぜ」と伝え合う無音の会話があった。
しかし、これだけでは単にトップチームのコピーで終わる。彼らはショートパスに、自分たちのエッセンスを加えていた。たとえば、ボールを奪われた選手がファーストディフェンダーとなり、即ボールを奪い返しに行く。その切り替えたるや、出場チームの中でも指折りの強度を誇り、「俺たちのボールだ」といわんばかりだった。
ほかにも、ショートパスで同サイドに敵の意識を集中させておいてからのロングキックで一気にビッグチャンスを生む攻撃パターンは彼らのオリジナルだろう。いずれにしても「サッカーがボールゲームである」という根源的な精神にある。レノファ山口が目指すクラブ像をジュニアの選手たちがプレーで見せてくれた。
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