自分の感情にフタをしないために――。家庭でできる“感情当てクイズ”で子どもとのコミュニケーションを図る

2016年12月28日

コラム

「感情と思考のズレは本来とても苦しいこと。だから大事なのは、自分の感情に決してフタをしないこと」。そう語るのは、OKラインメンタルトレーナーの森川陽太郎氏。今回も新著『本番に強い子の育て方』から子どもとのかかわり方のヒントを探る。

(文●森川陽太郎 写真●編集部)

『本番に強い子の育て方』より一部転載


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感情を閉じ込めるくせがついている可能性も

 私たちは普段の生活において、あまり自分の感情に意識を向けていません。

 特に理性的で感情をあまり表に出さない日本人は、感情より先に思考するくせがついていて、わき上がった感情を閉じ込めてしまう傾向があるように思います。

 たとえば、あることに対してイライラした感情がわき上がっているのに、こんな些細なことでイライラするのは大人げないという思考が先にはたらいて、本当の気持ちを打ち消してしまうのです。

 ですが、すでにお話ししたように、感情と思考のズレは本来とても苦しいこと。だから大事なのは、自分の感情に決してフタをしないことです。

 どうせ打ち消すのだからという潜在意識がはたらいて本当の感情が自覚できないことも多いので、まずは自分の感情に気づくというトレーニングが必要になります。

 子どもの場合は経験が未熟なぶん、大人よりも素直に感情と向き合えるのではないか――かつて僕はそう考えていました。

 けれども、たくさんの相談を受けているうちに、子どもの場合も、思考で感情にフタをしているケースが非常に多いことに気づいたのです。

 おそらく、マイナスの感情に対する「いけないこと」「ダメなこと」というイメージが大人の言動から刷り込まれ、大人と同じように感情を閉じ込めるくせが早々についてしまったのでしょう。

「嫌い」とか「怖い」とか「面倒くさい」などの、マイナスの感情は「悪」だといつの間にか思い込まされていて、大人と同じように、意識する前にあえて打ち消すくせがついているのかもしれません。

 親の顔色をうかがいながら話をするタイプの子どもは、特にその傾向が強いように感じます。

 たとえフタをすることがなかったとしても、自分の感情を冷静に理解することは子どもにとって簡単ではありません。

 ですから、そういう意味でも、子どもにもやはり、「自分の感情に気づく」トレーニングは必要なのです。

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