「いろんな練習をする必要はない」「自分のキックを知ることが先」名手・三浦淳寛氏が語る“FK論”
2017年02月17日
インタビュー現役時代、フリーキックの名手として活躍した元サッカー日本代表の三浦淳寛氏。J1で決めた直接フリーキックの数は15。2013年まで直接FK最多得点記録を保持していた。現役引退後はジュニアの指導、さらにフリーキック専用の練習ボールの開発などに携わり、自身のノウハウを次世代に伝えている。先週は、三浦氏にフリーキックの重要性や、実際に蹴るためのコツなどについて話を伺った。今回は、さらにフリーキックの駆け引きについて深く三浦氏に語ってもらった。
【前編】元日本代表三浦淳寛氏が語る日本サッカー強化論「得点の確率を上げるために日本はフリーキック大国に」
取材・文●木之下潤
足首の角度や当てるポイントなど細かい自己分析から
――フリーキックはGKとの駆け引きが重要だと思います。
口で説明するのは難しいところですが、たとえば、どうやってGKに左へ蹴るように思わせるかとか。そういう仕掛けをする場合もあれば、仕掛けずにGKの様子をジッとうかがっている場合もあります。基本的に、FKはキッカーに主導権があります。
たとえば、ボールをセットして一回だけ左をチラッと見たあと、ずっと右を見続ける。役者になりきって、わざと左に目線を送ったわけです。
そうすると、GKは「一回左を見たけど、それはフェイクで、実際は右に蹴るだろう」といろいろと考えて始め、迷いが生じます。それが駆け引きです。壁に味方を置くのも、キッカーの出だしを見せないためだとジーコさんがいっていました。
――実際に、どんな練習をするとキックのコツなど自分なりのものを見つけていけるのでしょうか? GKや壁は本番以外、なかなか用意できるものではありません。
僕はいろんな練習をする必要はないと考えています。足首を開いたほうが強いボールが蹴れる選手もいれば、開かないほうがいい選手もいます。ただ開き方によってボールの曲がり方が全然違うから、まずは自分のキックを知ることが先です。よくFKの練習をしていて右隅を狙ったはずなのにGKのほうにボールが向かうことはないですか?
枠を外したくない心理が働き、ボールが曲がりすぎてGKの正面に向かうことがよくあると思うんです。これは自己分析があまりできていない証拠なんです。基本的には確率を上げるためにFKを蹴り込むわけですから、そういう心理が働くことをわかっていなければなりません。足首の角度や当てるポイントなど細かく知らないと…。
だから、FK専用の練習ボールを開発したんです。昔、アディダスのボールを使っていて、僕はFKのとき、ロゴをゴールから2mぐらい外に向けて蹴っていました。そうしたら、このあたりに飛ぶと。外れてもいいんです。
でも、狙った場所に飛ばす作業が必要なんです。試合中は『どうしても枠に蹴りたい』という心理が働くからメンタル的な要素を含めて体得していかなければなりません。『オレは大丈夫!』と自信を同時につけることも重要です。
当たり前にセットプレー専門のコーチがいる時代に
――育成年代にFKで工夫されていたことはありますか?
「ドロップボールは立ち足をわざと遠く置くんです。すると、蹴り足が届かないからボールをこするように捉えてドロップするんです。普通の人が蹴ったら立ち足が遠いからボールが浮かないんですが、吉武さんに『お前の股関節と内転筋の強さがあれば蹴れる』と言われ、そう練習をしていました。
横浜フリューゲルス時代にゾノ(前園真聖氏)がマネして蹴ってみましたが、『無理だ』とあきらめていました。やはり、人それぞれ持って生まれた体の特徴がありますから違ったんでしょうね」
――客観的に見てアドバイスを送ってくれる指導者や仲間がいたほうがいいのでしょうか。
今日のFKイベントでも発信しましたが、将来的にはFK専門のコーチがプロチーム、また高校に専属でつけばいいなと思っています。FKは誰にも邪魔されず得点を決められる機会を得ています。『フィジカルコーチやGKコーチが存在するのに、どうしてセットプレー専門のコーチがいないのか?』が疑問です。将来、当たり前のようにセットプレー専門のコーチがいる時代になってほしいと、このFKイベントにゲスト出演させてもらいました。
――コーナーキックも同様ですか?
もちろんです。指導する側は選手の身体的なものを成長させることはできません。でも、FKの確率を上げることはコーチがいればできることだと思います。得点の確率を上げるためにも、僕は日本がFK大国になることを望んでいます。そのために僕自身もこのFKイベントをはじめ、いろんな活動に参加していきたいです。
――最後に、現役時代に印象に残っているFKはありますか?
最も手応えを感じた試合はヴィッセル神戸に在籍していた頃のサガン鳥栖戦のFKです。ホームだったのですが、無回転のまま右に行って左に行ってゴールにズドンと入ったFKは強烈に印象に残っています。自分でも驚いたんです。何に驚いたかというと、ボールの変化に驚いたわけではありません。練習していたキックのイメージに重なったのに驚き、ボール自体が想像以上にグッとぶれて変化したんです。弾道がイメージと合致したのは鳥肌ものでした。
三浦淳寛氏 × 浅井教授 × モルテン
共同開発フリーキック練習ボール
ジュニサカ オンラインショップで取り扱い開始
三浦淳寛氏監修のもと、スポーツ科学・技術の専門家である浅井教授(筑波大)、競技用ボールの製造・販売を行うモルテンが集結し、共同開発した『ATSUフリーキック練習ボール』は、ジュニア年代から練習に使用されています。
解説DVD付きで「ジュニサカ オンラインショップ」から4号球、5号球を発売中。
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