元日本代表三浦淳寛氏が語る日本サッカー強化論「得点の確率を上げるために日本はフリーキック大国に」
2017年02月10日
インタビュー現役時代、フリーキックの名手として活躍した元サッカー日本代表の三浦淳寛氏。J1で決めた直接フリーキックの数は15。2013年まで直接FK最多得点記録を保持していた。現役引退後はジュニアの指導、さらにフリーキック専用の練習ボールの開発などに携わり、自身のノウハウを次世代に伝えている。その三浦氏に、フリーキックの重要性や、実際に蹴るためのコツなどについて話を伺った。
取材・文●木之下潤
フリーキックは効率よく練習すればもっと決まる
――いつからFKの研究をされていたのですか?
小学生の頃からやっていました。中学生の頃、全国高校サッカー選手権大会で東海第一高校のアデミール・サントス選手のフリーキックを見ていましたが、『オレなら壁を超えてドロップさせるな』とか、自分なりの視点を持って観戦していました。いまFC今治の監督を務められている吉武博文さんは中学校の恩師なのですが、先生ともあれこれ話をしながら常にいろんなことを試していました。
――三浦さんのFKには無回転、カーブ、ドロップという3つの球種があります。どんなシーンで蹴りわけていたのでしょうか?
球種はゴールまでの距離、壁の位置、GKの位置など総合的に判断して決めていました。たとえば、ゴールまでの距離が30mある場合、カーブだとスピードが出ないのでGKが反応してしまいます。だから、無回転で蹴ることを選択する可能性が高いでしょう。反対にゴールまでの距離が近い場合は、スピードを意識しすぎても落ちきれなかったり、変化しきれなかったりするため、コースを定めてカーブを蹴る判断をしていました。状況に応じて微妙なさじ加減があるので、なかなか言葉だけで伝えきれません。また、キッカーの筋力によって変化の度合いや速度が違いますから。
――そこは自分自身のキックの特性やクセを理解する必要があると。
そうですね。10人のキッカーがいれば、10人の選択があると思います。僕と(中村)俊輔、ほかにはヤット(遠藤保仁)も選択は違うでしょう。一ついえることは、FKも練習をたくさんやらなければ自分のキックの特性やクセを理解できないし、決まる確率も上げられません。25mが得意なのか、いや28mのほうが得意なのかは、練習を積み重ねなければ微妙な部分までは気づくことはできません。練習の中で、より深く分析する必要があります。
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