「6年生の秋から11人制にするのが妥当」。改めて考えたい8人制サッカーのメリットとデメリット/関西クラブユース連盟 宮川淑人氏 編【短期連載】
2017年03月15日
コラム11人制サッカーへの移行もしっかり検討すべき
――プレー面で思うことはありますか?
「8人制サッカーは大きなボールを蹴らないし、蹴らなくなります。短いパスというか、インサイドキックや足先だけのキックでプレーをごまかしてしまう傾向がある。そういった戦術をとってごまかせる部分があるから、サッカーの発展には良くない部分もあります。
たとえば、実際に8人制サッカー専用のシステムを考え始めるチームが出てきています。公式戦は11人制サッカーでピッチの広さなど必要なことは調整し、それ以外では8人制を採用するなどの手立てを打たないと、8人制が公式戦である以上はそこに特化したことをやる指導者は必ず現れます。
本来のサッカーはサイドからのダイナミックな攻撃が醍醐味なのに、私が見る限り最近の8人制サッカーはオーバーラップが減ってしまっています。その理由は一人が上がるとリスクが高いからやれなくなっているからだと思います」
――そういう点でいえば、11人制への移行時期がかかわってくるかと思います。スペインでは、日本でいう小学6年生の9月から7人制から11人制に切り替わるそうです。つまり、ジュニアの間に移行期間を設けている。宮川さん自身、11人制への移行についてどう思われていますか。
「公式戦が8人制になると、クラブ側は合わせなければならないし縛られざるを得ないんです。実は、大阪ではU13リーグというのがあり、前期が8人制、後期が11人制なんです。これは8人制に変わる頃、同時にU13・U15リーグを立ち上げることになりました。
しかし、JFAから『U13リーグは8人制にしないと補助金を出さない』と通達がありました。もちろん現場では『中学生で8人制?』とみんなが思い、11人制での実施を申し出ましたが受け入れられずに苦肉の策で前期8人制、後期11人制という形で対処したんです。
すでに補助金制度はなくなりましたが、8人制の実施が決まればみんなは現場で精一杯だから8人制を見直す議論をしようという声すらも上がらないのが現実なんです。何度も言いますが、8人制になれば現場は当然それで勝つためにベストを尽くすのは当たり前なわけですから。それに少子化の問題があり、部員の少ない部活への配慮もあって続けていることも大きな理由です。
個人的な意見としては6年生の秋から11人制にするのが妥当だと思います。本来サッカーは11人制なんですから。ボールに関わる回数、様々な状況の経験数、攻守の切り替えなど8人制で養えることも当然たくさんあるからある一定の年齢まではそれを採用すればいい。今は11人制への切り替えを行うタイミングで8人制の大会が開催されているから弊害になっているのではないでしょうか」
4種年代の全国大会の在り方とは
――全日本少年サッカー大会が冬開催になりました。
「全少をはじめとした全国大会開催の問題は8人制サッカーとは違います。ただ、私は全国大会開催については反対です。しかしながら子どもたちのモチベーションに対する配慮が必要なので、都道府県単位の大会を年に数回ぐらい開催することは否定しません。中学年ぐらいまでの大きな大会についても不要だと考えています。
この問題は年間の公式戦スケジュールとしてJFAを中心に各都道府県協会などが話し合いを行わないから、ある一定期間に試合が集中し子どもに負担がかかる、個々によって試合出場数が偏るなどの問題が起こってしまっているのだと思います」


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