Jクラブから見る8人制サッカー。ジュニア年代では「個の部分にフォーカスすることを絶対に忘れてはならない」/ヴァンフォーレ甲府 西川陽介氏 編【短期連載】

2017年03月30日

コラム

11人制につなげるための8人制サッカーへの取り組み

――具体的には、どのように8人制サッカーに落とし込んでいるんですか。

「アカデミーでは1-4-3-3をベースに戦いたいと考えています。だから、ユース年代ではそのフォーメーションで戦っています。もちろんトップチームは監督によるので、その点は現実として違うかもしれませんが、ご理解のほどをお願いします。

 下の年代から徐々にトップチームに近づけていくという育成を、私を含めたスタッフで7年間かけて具体的に作りました。まず、4年生は1-2-3-2を徹底しています。なぜか? それはサッカーの基本であるGKを含めたアタックをするためにシンプルでわかりやすい布陣でサッカーをしようと考えたからです。2人のCBと1人のアンカーに2シャドーまたは2トップを加え、1年間かけてじっくりと組み立てを学ぶようにしています。

 ようするに、ビルドアップの基本的な形なんですが、私たちが大切にしているのはそこを11人制と切り離さないことです。CB二枚が開き、サイドが高い位置をとってアンカーが中央でパスを引き出してつなぐ。時にアンカーがDFラインに下がった場合に2シャドーがボールにどうかかわるか。様々な状況によってどう対応していくかを4年生では学ばせています。

 次に5年生は1-3-3-1に変え、サイドの攻防をテーマにしています。1CBと両SB、1ボランチと2ウィングにセンターフォワード。頂点にいる1トップに対してどうゲームにかかわっていくか。時に1-3-1-2-1の形になり、SBがどう攻め上がるかを考える。4年生とは違い、サイドが2枚に増えるので必然的にサイドでの攻防が増えます。基本的にはSBとウィングがどうサイドで相手を崩していくのかがテーマにあり、彼らがセンターFWとの間でどうフィニッシュまで持っていくのか。主にそういう狙いを持って取り組んでいます。

 6年生になると11人制サッカーと併用してやっていますが、大会は8人制なので1-3-3-1のシステムをベースに臨んでいます。この年代ではGK、DF、MF、FWとポジション別のラインについての概念や関連性を学ばせています。例えばCB、アンカーとシャドーのイメージを持たせるとか、シャドーがサイドに流れたり貼ったりするなど、4・5年生で習得したことを状況に応じて適切にプレーできるかを一貫して指導しています。どのシステムもSBやシャドーを置いたらそのまま1-4-3-3へと移行できるようになっています。いずれにしろ試合の中で状況に応じてやり方を変えて戦うのが私たちの方針です」

――Jクラブのアカデミーらしく11人制へのステップ段階として8人制を活用されています。

「Jクラブは多いと思います。8人制での勝ち方ではなく、11人制にどうつなげていくのかを念頭に置いているから移行の違和感はありません。もちろん指導者が条件や設定、たとえばピッチサイズなどを調整しなければなりません。個人的には中学1年生では8人制をうまく使ってもいいのかなと感じることはあります。中1になるといきなり11人になってピッチサイズも変わりますし、選手や指導者も最初は違和感を持つことがありますから。ただ、8人制であっても11人制であっても、この年代では個の部分にフォーカスすることを絶対に忘れてはならないということです」

nishikawa

※『8人制サッカー検証』西川氏後編は3/31(金)に掲載予定


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