田嶋会長が描く『トレセン』の理想像。日本サッカー協会として「大切なことは言い続けなければならない」
2017年05月10日
インタビュー「アジアで勝てなくなって取り組み始めては遅い」
――ドイツサッカー協会は代表チームが惨敗したユーロ2000を契機として、全国をくまなく網羅する逸材の発掘育成システムを構築。それが2014年のワールドカップ・ブラジル大会制覇につながりましたが、日本としても参考にすべき点もあるのではないでしょうか。
「ドイツは日本で言うトレセンを、すでにしっかりと機能させているんですね。シュトゥッツプンクト(日本でいう地区トレセン)と呼ばれる組織が全国に400ヶ所近くあり、その活動を地域協会や地元のプロクラブも手伝っている。そうした効果もあって、大きなクラブ以外からも優秀な選手がどんどん出て来る。その意味では、理想のモデルになると思っています。あのドイツですら、ちょっと勝てなくなったらすぐに改革を行いました。まだまだ世界に追いついていない我々が、アジアで勝てなくなってから着手するのでは遅いんです。
昨年は技術委員長の西野朗さんが、U‐16、U‐19両日本代表がそれぞれ戦ったAFCアジア選手権にフルで帯同しました。サッカーを見る目に長けた西野さんが把握された、世界やアジアとのギャップがトレセンのトップコーチを介して、指導者や子どもたちに落とし込まれているなかで、いまは非常にいい形になっています。年代ごとの世界基準の下で行われるべきトレーニングがあるということ、ある年代でしか身につかないことがあるということを、できる限り多くのクラブや指導者に伝えていく責任が日本サッカー協会にあると思っています。
僕は20年ほど前、加藤久さんや小野剛さんたちと日本中を回りながら「ターン」や「マノーン(相手が来ている)」という言葉を伝えていました。パススピードを上げるためでしたが、もう十分に浸透したと思い、口にしなくなったら、その後はどうなったか。Jリーグのパススピードはプレミアリーグと比べて大きな差があるし、自分の子どもが出場していた高円宮杯プレミアリーグやプリンスリーグを見てもとにかく緩い。言い続けなければいけないこと、いま伝えなければいけないことがあると痛感させられましたし、そうしたベースを徹底させるのが日本サッカー協会の仕事でもあるといまは思っています」
<関連リンク>
・【特集ページはコチラ】就任から1年――。JFA田嶋幸三会長と考えるジュニアサッカーのこれから
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 逆転勝利を呼び込んだ頭脳プレー! “野沢菜旋風”なるか? 長野県代表・ノザワナFCが堂々の2連勝スタート!
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2016年度の参加メンバー768名を発表
- 話を聞けない子どもがいたら?
- 学校では教えてくれないサッカー栄養学 世界で闘うための選手の食事【前編】