コーチングはできるだけ具体的に。『首振って!』『ルックアップ』など行動を目的にしないために大切なこと

2017年05月26日

コラム

<池上さんのことば辞典>

ックアップ

【動詞】同義)顔を上げて よく見よう 類義)情報を入れる

ボールを保持した際や、ドリブルで
移動する際に顔を上げてプレーする
こと。足元の技術がおぼつかない小
学生の間はついボールばかり見てし
まいがちだが、高学年までには修正
したい。視野の確保を要求するとき
に「ルックアップしよう」などと声
をかける。

■池上さん解説■

顔を上げて周りを生かすことができる子を育成しよう!

 最近の小学生は、プレーの質が少し変わってきたように思います。以前よりも、周りを見られる子が確実に増えています。少し前は、ドリブルで鮮やかに抜き去る子がどのチームも目立っていました。

 ところが、最近は「面白い子がいるなあ」と目に留まる子は、顔が上がって、ドリブルもパスもできる。また、プレーの選択や判断も自分でうまくできています。

 それはイコール、指導者の目指す選手像が変わり、指導そのものが変わってきたからです。少し前は、「上手い子」は、ボールの扱いが上手い子というイメージを多くの指導者が持っていました。ところが、最近はそこに「視野を持てる子」「周りが使える子」の視点がプラスされてきたようです。

 一方で、ルックアップの重要性が伝えられていないチームもあります。実際に3人に囲まれてもへっちゃらでドリブルで抜け出してしまう個人技のある子を輩出しても、中学に進んだ後もドリブルだけに頼ってしまい、その次の段階に進めていないようです。

 ドイツなどのサッカー先進国でさえ、代表チームが弱体化しているとみるや、それまでの育成方法を多角的に見直し新たなシステムを構築しました。日本も新たに整理し直す必要があります。

 


池上さんのことば辞典
【商品名】サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典
【監修】池上正
【著者】島沢優子
A5判/240ページ
⇒家庭、指導現場で実践。どうしたら伸びる? 悩んだら、この辞典を開け!
【目次】
第1章 力を引き出す、引き出さない「問いかけ・声がけ」
第2章 とらえ直したい「サッカーまわりのことば」
第3章 本質を伝える「サッカー用語」

【本書で収録されている言葉】
わかった?/質問ありますか?/どうですか?/
楽しかった?/それで満足なの?/面白いね/
このままでいい?/好きなようにやってごらん/
あわてないでやってごらん/友達にきいてみたら?/
いい質問だね/問題ないよ/次は気をつけてみよう/
楽しくないね?/やってみたら?/大丈夫ですか?/
ほかのやり方はないのかな?/自分だけ楽しければいいの?/
どんな感じ?/どうすればうまくいく?/
どうしてできないの?/選ぶのは君だよ/
コーチが決めて/勝ちたくないの?/助けてあげたら?/
ボール見ろ!/切り替えろ/何回外してるの?/
首振って! /ボールがもらえますか?/ゴールは見た?/
何を見ましたか?/つないでいこう/広いほうに/
ライン上げろ/教えない/教える/認める/
厳しくする/指導力/ドーパミン/
モチベーションアップ/バーンアウト/ご褒美理論/
セレクション/プレーヤーズファースト/
オープンマインド/インテリジェンス/
オーバーコーチング/負けず嫌い/勝利至上主義/
五感/親の役割/テレビ観戦/縦割り/
キャプテン/リーグ戦/習い事/優先順位/
メンバー決め/センス/泥くさい/
理不尽/伸びる条件/自立/主役

……etc


 

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