FCバルセロナキャンプのコーチがチェックするMVP選考基準とは?
2017年06月30日
ジュニアサッカーニュースU-20日本代表の久保建英選手がFCバルセロナ育成組織に入団したきっかけは、日本で開催されたFCバルセロナキャンプのMVPの獲得だった。
このキャンプでMVPに選ばれた選手は、久保選手のみならずタルハニ存哉選手(スペインのUDコルネジャ)、中村斗星(横浜Fマリノスユース)、細川楓選手(横浜Fマリノスジュニアユース)、上野浩大選手(FC東京むさしU-15)など、多くの選手がその後も順調に成長している。
FCバルセロナのコーチは、何が優れているからMVPに選ぶのか、その選考基準についてFCバルセロナキャンプ事務局の浜田満氏に伺った。
取材・文●編集部
――どのような選手がMVPに選ばれるのですか?
MVPに選ばれるには、FCバルセロナの価値観に合致した選手であり、さらに技術的、戦術的な選考基準をクリアーした選手でなければいけません。
まずバルサの価値観というのは5つあります。
①謙虚であること
②野心的であること
③チームプレーができること
④努力すること
⑤仲間、相手などに敬意を払えること
子供たちは、この5つの価値観をキャンプの中で実践することを要求されます。
この5つは実は子供たちは、日常生活の中で聞いたりして、参加する選手全員が普段から認識しているものだと思います。
しかしながら、この価値観に基づいて実際に行動することを要求される5日間というのは、普段からそういったことを意識していないと、なかなか実際の行動に表すことは難しいと思います。
バルサキャンプの5日間でこの5つ価値観の振る舞いが出来る選手というのがMVPを選ぶ基準のベースです。
――技術的な選考基準とは?
5つの価値観が持っていることをベースに、技術的な選考基準はさまざまですが、代表的なものは以下です。
①技術的質(バルサの戦術に沿った技術かどうか、例えばバルサでは常に相手の数が少ない場所へボールをまわすことを求めますが、そうなるとボールを逆サイドへまわすためのコントロールが必然的に必要になってきます。)
②ポジション取りのスピード
③予測スピード
④ボールを失わないか
⑤判断力に優れているか
⑥プレーに連続性があるか
⑦攻守の切り替えのスピード
これらの選考基準で一番チェックしているのは、「先を読んでいるか、2手先3手先を読んでプレーしているか」です。そしてプレーの才能があるか、バルセロナではタレント性といいますが、例えば特化したスピードがあるとか様々な才能をチェックします。
そして最も評価が高い選手は「学ぶスピードが速い選手」です。教えたことをすぐに吸収してすぐにできてしまう子は非常に評価が高いです。
そのような基準に合致した選手を、各コーチがグループの中から何人かピックアップして責任者に推薦します。最終的にはその責任者が推薦された選手を一人一人確認してMVPを決定しています。
――MVPに選ばれやすい年齢はありますか?
年齢についてはよく聞かれます。低学年の方が選ばれやすいとか、高学年の方が選ばれているとか。年齢はまったく関係ありません。
例えば小学2年生と5年生の上手な選手がいた場合、普通に比較すれば小学5年生の方が上手なわけです。でも小学2年生がバルセロナの指導を3年間受けたら、この5年生より上手になるとか、そこまで上手にならないとか、コーチは想像がつくわけです。そこを想定して比較しているので、年齢については関係ありません。
――MVPのメリットは何ですか?
当然、現地スペインでのトレーニングを受けられるということです。バルセロナ本部の人たちにもプレーを見てもらえるのです。だからと言って、FIFAのルールの制約があり、この年代の選手の獲得はできないんですが、有望な選手はレポートが出されます。このレポートは、スカウトであったり、バルセロナスクールのコーチが育成部門に提出するんです。このレポートに載るか載らないかでは今後のサッカー人生で大きな違いがあるでしょう。MVPにはそのチャンスが生まれます。
――ありがとうございます。
関連リンク
FCバルセロナ サマーキャンプ2017
http://juniorcamp.pl.shopserve.jp/
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
-
U-22日本代表メンバー発表!【AFC U23アジアカップ サウジアラビア 2026予選】2025.09.03
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 縦割りの練習、危なくない?
- 日本サッカー協会がイランやウズベキスタンなどの中央アジア6ヵ国との青少年サッカー交流の実施を発表
- 8年間でオスグッド患者ゼロ!! 子どもの心身のケアを徹底するT・フジタ枚方の取り組み
- 【第41回全日本少年サッカー大会 】富山県大会結果
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 「止める」「蹴る」「運ぶ」を疑う。大阪の強豪・RIP ACEの育成哲学
- 小久保玲央ブライアン、松岡大起ら23名が選出!『AFC U-19選手権』に臨むU-18日本代表が発表
- サッカーを通じて“目標を達成する力”をつける思考術とは