指導者なら必ず知っておきたい”個の育成”についての2つの疑問の答え…。「ジュニア年代で必要な個の指導とは具体的に?」「どの年代から個人戦術を教えるべきなのか」

2017年07月13日

コラム


Q2

どのくらいの年代から個人戦術を子どもに教えるべきですか?


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【写真●中澤捺生/ジュニサカ編集部】

個人戦術を教えるには3、4年生が適切

 小学校の3、4年生からが適切だと思います。テレビでプロの試合を見て「ああいう選手になりたい」とか言い始めるのが、子どもがサッカーに真剣に向き合い始めようとする時期です。それまでは、個人戦術については、言葉ではなく感覚として実際にプレーを見せるなど、視覚的に伝えた方が良いと思います。例えば、ミニゲームに大人が混じってパスをするふりをしてドリブルで仕掛ける。そこで「これ、できる?」と言うだけで、子どもは真似をして みるものです。5年生や6年生にもなるとグループ戦術を習得し始める時期でもある ので、その手前という意味でも3〜4年生 は、技術を学びながら生かす術を身につける時期であり、個人戦術を学び始めるのに適切です。簡単に言うと、味方からのパスをどのタイミングで受けるかというのが個人戦術。受けたボールをどのように扱うかが、技術の部分になります。
 
 個人戦術を学ぶ際、最初は、攻撃面から取り組むのが良いでしょう。攻撃の選択肢をたくさん持っていることは、将来的なプレーの幅を広げることにつながるからです。オランダの名門アヤックスは、トータルフットボールを提唱し、バルセロナの原型となったクラブとしても有名ですが、選手育成にも定評があります。アヤックスが選手発掘をする際のポイントとしては、年齢が下がるにつれて、攻撃的な選手がスカウトされる傾向が強いようです。その中で守備に特長のある選手がコンバートされることで、自チームの攻撃時には最終ラインでも ボールを保持することができて、どこからでも攻撃の糸口を探ることができるようになるのです。
 
 理想としては、まず選手のストロングポイントを伸ばすこと。例えば、足の速い子がスピードアップをすべき場所やタイミングを覚える。すると、試合の中でスピードを効果的に生かすことができ、活躍できます。成功体験は、子どもの取り組み方を積極的にしてくれます。自分の特長の生かし方を覚えることで、個人戦術や今後学んでいくグループ戦術、チーム戦術の大切さにも気づけると思います。守備に関しては、小学生の高学年や中学生になってからでも遅くないでしょう。

 

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