「サッカーは論理的な物事の考え方が必要なスポーツ」 チーム力向上に繋がる”言語技術”の身につけ方とは
2017年08月01日
コラム言語技術とは思考を論理的に組み立て、相手が理解できるように分かりやすく表現することをいいます。今回は言語技術を習得し仲間たちと話し合うことがが出来ればチームプレーやチームワークの質が高まると話す三森ゆりか先生の言葉から言語技術の身につけ方を紹介します。
(文●木之下潤 再構成●ジュニサカ編集部)
(写真●中澤捺生/ジュニサカ編集部)
論理的な物事の考え方が欧米諸国では当たり前!
サッカーは論理的な物事の考え方が必要なスポーツです。ボールを受けて味方にパスを出す。この簡単なプレーには「なぜそうしたか」という理由が存在します。こことここに味方、あそこと目の前に敵がいる。この場面でドリブルを仕かけるとすぐ囲まれるうえ、ボールを奪われたらカウンターになる可能性が高い。ただ、この味方にパスが通れば、逆サイドに展開してゴール前までボールを運べるからシュートまでいける。だから、この味方にパスをしよう。
全体の状況と今自分がいる目の前の状況を分析して一番いい選択肢を選ぶわけですから、必然的に判断を下す過程には「物事を論理的に考える力」が働いているのです。
私は1971〜1975年にドイツで生活した経験があり、現地の学校に通っていました。日本では、男子が校庭でボールを蹴る程度しか目にしたことがなく、ちゃんとサッカーを見たのはドイツが初めてでした。テレビで試合を見ていても解説者や選手が「ロジカル」という言葉を頻繁に使ってプレを説明していました。元日本代表監督のトルシエも「ロジック」という単語を用い、質問に答えていました。そのときに気づいたことが一つありました。
それは、フランス人通訳は「ロジック」を訳していたのに、日本人通訳は「ロジック」という単語を訳していなかったこと。通訳には「サッカーが論理的なスポーツ」という概念がなく、別の言葉に変えられていました。これはおもしろい発見です。
ドイツではもちろん、ヨーロッパでは目の前で起こったプレーを論理的に説明するのが当たり前です。もっと言えば、私がドイツで通っていた学校でも自分の意見を論理的に説明することが求められました。スポーツだけでなく、社会全体が論理で組み上がっているのです。サッカーも同じです。
サッカー強豪国の母語教育はほぼ一緒です。物事をきちんと理由に基づいて議論し、大量に本を読ませて深く論理的に考えさせる。そして、大量に作文を書いて表現させるのです。高校まで卒業すれば、サッカー選手も論理に基づいた会話ができるようになります。でないと、学校生活も送れないし、日常生活もままなりません。日本人のような「なんとなく」は通用しないのです。
ドイツで見たヨハン・クライフのインタビューはとても印象的でした。インタビュワーが「どうしてあのプレーをしたの?」と質問をします。すると、彼は「あのプレーをする前の状況はこうだった。そのとき、ここに敵と味方がいて、ここにスペースがあったからあのプレーをした」と説明し、しっかり理由まで述べていました。すごいのはそれ以外の選択肢まで答え、それが多岐にわたっていたことです。
ヨーロッパでは、サッカー選手だからとプレーでさえ表現できていればいいわけではありません。言葉できっちりと理由ありきの説明ができなければなりません。その重要性に早くから気づき、日本サッカーに取り入れようと動いたのが、JFAの田嶋幸三さんです。彼はドイツの留学経験があり、現地でサッカーを教えていたそうです。そのとき、子どもたちが「論理的」という言葉を使ってプレーを説明する姿に遭遇し、日本にはこれが必要だと帰国後、たまたま 私が子ども向けに書いた本に共感を覚えて、電話をかけてくれたそうです。
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