「サッカーは論理的な物事の考え方が必要なスポーツ」 チーム力向上に繋がる”言語技術”の身につけ方とは
2017年08月01日
コラム
(写真●中澤捺生/ジュニサカ編集部)
言語技術を習得すればチームプレーやチームワークの質が高くなる
そもそも欧米系の言語圏では、言語技術を教えるのは当たり前なのです。ほとんどの国が同じような内容で。日本のように国語の授業で穴埋めテストなんかありません。小学1年生から全部記述です。たくさんの本を読まされ、授業形式はすべて議論です。本を読んで知識を得ながら話し合いを行う。「読んで議論して書く」。これが当然のことなのです。だから、日本の国語の授業は何もやっていないに等しい。大人になっても作文すら書けないのはそういうことです。欧米の国語の先生は作文の達人です。書けないと添削ができないわけだから当たり前。
話を少し前に戻すと、だから「作文」を書かせます。ようは「記述」です。例えば、物語を書かせる授業をやります。それはなぜか。 物語には構造があります。それを学べば、自分の考えをプレゼンテーションすることに 役立ちます。最初に物語がどんな構造になっているかを学びます。そして、自らがプレゼンテーションをするときは、「この物語の構造を使いながらプレゼンしなさい」と指導しています。日本の指導者が、具体的なアドバイスができないのは、言語技術の未熟さにあります。論理的に物事を考える力が備わっていないのに具体的なアドバイスはできません。
ミスの後「それではダメ。どう思う?」と声をかけていますが、これでは状況も見えない、ミスの理由も探せない、そして解決策も発見できない。このことは、先ほどから私が語ってきた「問答」「説明」「分析」「物語」という項目にすべてかかわっていると感じませんか。これらは別々のものではなく、つながっているものなのです。
言語技術を高めたければ、指導者が子どもに対して一緒に絵の分析をしてみるのもいいと思います。そこで状況分析を細かく言葉に落とし込んでいく。具体的に言葉を使いこなすことができるようになれば、指導者も教えることがより楽しくなるし、一石二鳥です。
欧米では、言語技術は習うものだから日本人が備わっていないのも習っていないから仕方ない。数学と同じ原理です。足し算、引き算、かけ算、わり算をやって方程式を習うでしょう。言語技術も方法論から学ぶべきことなのです。最終的には状況の分析、情報の分析ができて、その分析した結果を言葉にでき、さらに記述ができる。そこまでやれたらプロサッカー選手になれなくても社会人としてどこでも通用します。言葉さえできれば欧米でも問題ありません。
言語技術の習得はコミュニケーションスキルの向上につながっています。ということは、仲間との会話のクオリティが上がることに直結しています。密に話し合いができれば、チームプレーやチームワークの質が高くなる。それが必然的にチームのまとまりを強くしていくのです。
言語技術の習得 7のアドバイス
①家庭でも両親が文章で会話する
主語、述語、目的語など文章で話をすれば、内容が具体的になります。
子どものためにはいいことです。
②言語技術は幼いうちから学ぶべき
サッカーにゴールデンエイジがあるように、言語技術も早ければ早い方が身につきやすいです
③言語技術の習得は大人でも大丈夫
自分が理解していれば、という条件つき。
論理的に物事を考えるのが基本ですから根拠を考えてください。
④一人でも「分析」は練習できる
静止画でいろいろ試してみてください。
大切なことは全体像から中心に描かれているものを説明できること
⑤まずは方法論を学ぶ
問答、物語、説明、絵の分析、文章の分析、作文という項目を順番に習得しましょう。
そして、少しずつ難しいものにトライを
⑥自分の考えに理由を持つ
自分の考えには理由があるはずです。
なぜその考えに至ったのかを順を追って探れば必ず理由にたどり着きます 。
⑦物事は全体から把握する
最初から状況を切り取ってみても答えは出ません。
切り取った状況にも理由があるので、まず全体から見ましょう。
<プロフィール>
三森ゆりか
つくば言語技術教育研究所
東京生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。中高の4年間を旧西ドイツで過ごす。1984~1988年に外交官の子弟を対象とするドイツ式作文教室 を主宰。 1990年につくば研究学園都市に「つくば言語技術教育研究所」を開設。著書「大学生・社会人のための言語技術トレーニング」(大修館書店)など。
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