小6で「大人のようなサッカーをしていた」。ガンバ大阪に見いだされた“井手口陽介”という才能

2017年09月01日

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31日(木)に行われた『2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選』オーストラリア戦、日本代表は2-0で勝利し、6大会連続となるW杯出場を決めました。そんな大事な試合で、日本の勝利を決定づける豪快なミドルシュートを決めた井手口陽介選手(ガンバ大阪)はどんなジュニア時代を過ごしたのでしょうか。『僕らがサッカーボーイズだった頃3』より一部抜粋して紹介します。

僕らがサッカーボーイズだった頃3』より一部抜粋

(文●元川悦子 写真●Getty Images)


SUITA, JAPAN - JULY 29:  Yosuke Ideguchi of Gamba Osaka in action during the J.League J1 match between Gamba Osaka and Cerezo Osaka at Suita City Football Stadium on July 29, 2017 in Suita, Osaka, Japan.  (Photo by Masahiro Ura - JL/Getty Images for DAZN)

18歳でJデビュー

 2015年ゴールデンウィーク初日ということで、この年にJ1初昇格を果たした松本山雅の大勢のサポーターを迎えて万博記念競技場で行われた2015年4月29日のJ1第8節。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)とJリーグの過密日程を強いられていたガンバ大阪の長谷川健太監督は、満を持して18歳の将来性抜群のボランチ・井手口陽介をスタメンでピッチに送り出した。

 これまでガンバ大阪のボランチには、日本代表通算152試合という前人未到の大記録を打ち立てた遠藤保仁、2010年南アフリカ・2014年ブラジル両ワールドカップに出場した今野泰幸、そして2002年日韓ワールドカップに出場経験を持つ大ベテランの明神智和(現AC長野パルセイロ)という実績十分の面々がひしめいていた。

 その中に割って入ろうとしていたのが、アカデミー出身の井手口。Jデビュー戦ではやや緊張感も見られたが、遠藤とのコンビネーションは悪くなく、キャプテンを後方からしっかりとサポートし、時には自らも前へ出ようとする。結局、62分に今野と代わってベンチに下がることになったが、この日のガンバは宇佐美貴史の決勝点で1-0で勝利。彼は幸先のいいプロの第一歩を踏み出すことに成功した。

 この若者をスタジアムで目に焼きつけていたのが、母・亜紀子さんだった。「お母さんはたぶん、自分がプロになれたことが一番うれしかったのかな。このデビュー戦もそうだったけど、僕がベンチに入ったら必ずスタジアムに来て、応援してくれています。自分がA代表に入ったり、海外で活躍しているところを見せられたら、もっと親孝行やと思うし、うれしいと思うんで、目標はそこにあります」と井手口は神妙な面持ちで母への秘めた思いを口にした。

 そんな彼の当面のターゲットは二つある。一つは2016年夏のリオデジャネイロ五輪の舞台に立つこと。「一番近い目標がリオへ行くことです。そのためにも守備はもちろんですけど、ボランチとして攻撃で飛び出していったり、ゲームを作ったり、決定的なパスをもっともっと増やしていかないといけないと。そこが課題です」と本人もやるべきことを明確に見据えている。

 もう一つは、遠藤・今野という鉄板ボランチの間に割って入ることだ。「プロデビューから1年が経って、パフォーマンスは非常によくなっています。2人にもかなり近い位置まで来ています。課題は最後の仕事ができるようになるかどうかじゃないですかね。シュートもいいものを持っているんだけどゲームの中ではなかなか打てないんで、そこだけじゃないかなと思います」と長谷川監督も手ごたえをつかんでいる様子だった。

 ガンバ大阪、そして日本サッカー界の近未来を担うであろうスケール感のあるボランチの少年時代に遡ってみることにする。

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