ポジションにとらわれていませんか!? マルセロのプレーから学ぶ”攻撃的SB”に必要なプレー
2017年10月19日
サッカーエンタメ最前線攻撃的なサイドバックと言えば誰が思い浮かぶでしょうか。バイエルン・ミュンヘンのダビド・アラバ(オーストリア代表)バルセロナのジョルディ・アルバ(スペイン代表)などがいますが、レアル・マドリードに所属するマルセロ(ブラジル代表)こそ”世界一攻撃的なサイドバック”ではないでしょうか。マルセロのプレーから”攻撃的サイドバック”には何が必要なのかを考えます。
文●中澤捺生/ジュニサカ編集部
(写真●Getty Images)
「プレーエリア」の幅が広いマルセロ
CBの両隣に位置するSBにはどういった技術が必要なのでしょうか。相手選手にアタリ負けしない強靭なフィジカル、1vs1の守備の強さ。素早いカバーリングなどは絶対に備えておきたい技術です。
しかし、SBには”守備”だけでなく”攻撃”も求められます。SBの”攻撃参加”はチームの攻撃に多彩なバリエーションをもたらします。そのため、SBには豊富な運動量、高いクロスの精度、攻撃参加をするタイミングなど高い攻撃能力も必要です。
サイドバックに必要な攻守の能力を共に高水準で備えている選手は世界を見渡しても多くはいません。そんな中で攻守において質の高いプレーを披露しているのがレアル・マドリードに所属するブラジル代表マルセロです。特に果敢な”攻撃参加”はマルセロの最大の持ち味。”世界一攻撃的なサイドバック”との呼び声も高いです。
2016-17シーズンのCL(チャンピオンズリーグ)レアル・マドリードとバイエルンの準々決勝、第2戦。マルセロは延長後半にドリブルで「3人」をかわしてDFラインを一人で打開。クリスティアーノ・ロナウドのゴールを演出しました。(動画5:00~)さらに、ユベントスとの決勝戦では90分に鋭い切り返しからゴール前にドリブルで侵入しアセンシオのゴールをアシスト(動画6分22秒~)。レアル・マドリードを史上初のCL連覇に導きました。マルセロの昨シーズンのパフォーマンスは”世界一攻撃的なサイドバック”という声をさらに強くしたのではないでしょうか。
では、マルセロは他のサイドバックの選手と攻撃の面で何が違うのでしょうか。ボールを奪われないコントロールや相手を翻弄する繊細なテクニック。試合終盤になっても敵陣を切り裂くことが出来る高いスタミナと縦への推進力など。他のSBと比べ「個」の力に差はありますが、一番大きいのは「プレーエリア」の違いではないでしょうか。
マルセロは他のサイドバック選手と比べて「プレーエリア」が驚異的に広いです。スピードのあるドリブルで縦に突破したり、味方の外側を走ってオーバーラップを仕掛けるだけでなく、細かいパスやワンツーでボランチの位置やペナルティーエリアにまで侵入。幅広いエリアでプレーし、レアル・マドリードの攻撃に厚みを加えています。
試合を見ていてもマルセロの「プレーエリア」の幅広さを感じることがあります。例えば、13-14シーズンCLアトレティコ・マドリードとの決勝戦では延長後半にドリブルでペナルティエリアまで運び強烈なシュートを決めました。上の動画を見てもマルセロがFWのポジションに居たり(6分47秒~)、中に切り込んで右足で決めたシーン(7分00秒~)など、「プレーエリア」の幅広さが分かります。ただ、マルセロのようなSBの”攻撃参加”は非常にリスクが高いです。ボールを奪われ、上がったスペースを突かれるる可能性もあります。SBは周囲の状況をみて”攻撃参加”をするかどうかを見極めることはとても大切なことです。
ジュニア年代の試合を見ていると、SBの選手がオーバーラップを仕掛けたり、ドリブルで中に切り込んでいくシーンを見る機会が非常に少なく感じます。その要因の1つとして自身のポジションのエリアに縛られているからなのかもしれません。ワンランク上のSBプレイヤーになるためにはマルセロのようにポジションにとらわれず自由に動き「プレーエリア」の幅を広げていくことが必要になってくるのではないでしょうか。
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