「見る力」と「判断力」を養う。ビジョントレーニングとは
2017年11月08日
コラムサッカーは目と体のセットで鍛えることが必要
――小学生クラスは随分と幅が広いですが、学年や年齢によってトレーニングの負荷が異なるのでしょうか。
飯田 目を鍛えることにおいて、年齢差はあまり関係ありません。体を動かしている経験の差は関係があるようですが、あくまでも僕の実感です。眼球運動が上手な子は負荷を重くし、うまくない子は負荷を軽くして調整しています。例を挙げると、バランスボールに乗って眼球運動をしたり、平均台を歩行しながら眼球を左右に動かすなど、トレーニングのやり方で工夫しています。スポーツは動きながらプレーすることが多いので、眼球の動きと体の中心線に対する認識はそれぞれマスターしていることが理想的だと感じています。
――よく体の軸や体幹がぶれないことが、スポーツでは良いといわれますが。
飯田 目を動かしながら体をぶらさずに運動することは、体幹を鍛えることに直結するわけではありません。ダッシュしながらチラッと横を見て体がふらつくからと体幹を鍛えても、僕の現役時代と同じように原因は目にあるかもしれません。目と体はセットで鍛えることが必要だと思うのです。特にサッカーはそうではないでしょうか。
――いわれるとおり、サッカーは動きながら状況を把握する力が問われるので、目を鍛えるのも大事だと感じます。
飯田 幼稚園クラスは体を鍛えることから始めると答えましたが、スポーツは最終的に体で表現できなければ意味がありません。だから、コーディネーション能力を養うことは不可欠です。見る・判断する・動くというサイクルで人の体が動く以上、その導線を含めたそれぞれに目を向けなければならないのは必然ではないでしょうか。だから、うちのジムでは、体の使い方、体幹、目の使い方に注視して幼稚園と小学生から土台づくりをしているのです。
――ちなみに『目で見る』という概念に背後はありません。体の中心線に後方という考え方はないのでしょうか。
飯田 実は、お尻にしっぽをつけて複数人で取り合いをするトレーニングをしています。ビジョントレーニングからは少し外れますが、後ろへの意識もスポーツでは大切なことです。背後に気を配りながら素早く動くなどスポーツに役立つことはありますから。さまざまな視点で体を動かすことに目を向けています。たまに、保護者の方に『ビジョントレーニングをするようになって集中力がつきました』という感想をいただきます。きっと目標物に素早く焦点が合うことで、脳に余計な情報が入らずにまっすぐ目標に向かえるのでしょうね。ぜひ一度、体感してもらえたら嬉しいです。

【動体視力を高めるトレーニングに用いるマシン。赤に点滅した色を手でタッチする。点滅のスピードやリズムが変えられるため、ゲーム感覚で動体視力を養える。飯田さん曰く「タッチする手を限定する方法もあります。たとえば、右手だけ左手だけ。また、左右を中心よりも右の点滅は左手、左の点滅は右手など工夫すれば簡単なコーディネーションの要素も取り入れられます】
<プロフィール>
飯田覚士
1969年生まれ。愛知県出身。1988年 にボクシングを始める。1997年にWBA世界スーパーフライ級王座に輝く。1999年の現役引退後、2004年に「ボクシン グ塾ボックスファイを設立。ビジョントレーニングとコーディネーショントレーニングを融合させたオリジナルプログラムを開発し、ボクシングの底辺拡大のみならず、子どもへのスポーツの振興に力を注ぐ。2015年に日本視覚能力トレーニング協会を設立して代表理事に就任。
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