昨年度2冠のセンアーノ神戸から読み解く「8人制サッカー」の捉え方
2017年12月22日
コラム敵とゴールがあり競争がある
センアーノ神戸と他クラブの違いは“駆け引き”のうまさにある。サッカーは相手がいるもの。昨今は街クラブの指導者も当たり前のように口にする。しかし選手たちのプレーを見たら、その発言とは裏腹なプレーをしていることはよくある。
彼らは特別な練習をしているわけではない。コーンドリブルのようなクローズド・トレーニングもやっている。強いて言えば、多くの練習に”敵”と”ゴール”が設定され、”競争”が存在している。
たとえばコーンドリブルを終え、次に30mほどの距離で敵を付けてドリブルのトレーニングをする。ほかには、25m×25mの枠内にランダムにマーカーゴールを4つ設け、3対3を行う。ボールは一つ。マーカーゴールの間をドリブルで抜けたら1点が加算され、得点数の多いほうが勝ちだ。
後者のトレーニングの目的は”ボールを運ぶ”ことだ。どこのマーカーゴール(フリースペース)が空いているか、どの味方 がフリーか、敵はどこにいるか……。大木監督はたまに選手を集め、たくさんの選手に質問をぶつける。また練習が始まれば要所で言葉を投げかける。興味深いのは、普通サッカーはボールゲームだから攻撃側に問いかけることが多い。だが、大木監督は 守備側にも同じかそれ以上の質問を浴びせる。
取材した3・4年生の選手たちは、みな自分の意見を述べていた。練習に戻ると、それぞれがプレーに反映させる。監督はフ リーズの場面以外ほとんど口を挟むことはなかった。
練習中は選手たちがミスを指摘し合い、いいプレーは「ナイスプレー!」と褒め合う。どのトレーニングも当たり前に競争があり、各テーマに適したインテンシティが保たれている。大木監督が選手に伝えるのはプレーのイメージであり答えではない。 つまり、サッカー観だ。
大木監督は「8人制から11人制への移行について、どう考えているか?」という質問に対して思うままに意見をくれた。
「私は両方やればいいと考えています。8人制、11人制、フットサル、いろんな経験させて、どこでサッカーをやっても通じるものを身につけさせるのがいい。子どもたちのサッカーセンスが広げ磨くのが一番ですから。ただ一つ言えるのは、ゴールのサイズだけです。これは配慮すべきだと感じています。正直、6年生になったらフルサイズのピッチで 11人制サッカーを経験させるべきだと思います」
【センアーノ神戸、大木監督は「8人制、11人制、フットサル、いろんな経験させて、子どもたちのサッカーセンスが広げ磨くのが一番」と話す】
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!2025.09.17
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- “いい選手”は「2つのラインの交点に立つ」。ポジショニングに必要な「ボールなしペアリング」とは?
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- 【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 縦割りの練習、危なくない?
- キッズ年代から取り入れたい! バランス感覚と判断力を伸ばす効果的トレーニング術【前編】
- 【第39回全日本少年サッカー大会】決勝大会 ジュニサカ取材日記②「地元で“全少”初開催! 鹿児島県代表・飛松FCの挑戦!!」
- 東京都伝統の『TOMAS CUP』で輝いた5人の選手たち!/ジュニサカMIP
- 指導者たちに聞く!現代の環境の中で求められる指導法とは/座談会企画<後編>