昨年度2冠のセンアーノ神戸から読み解く「8人制サッカー」の捉え方

2017年12月22日

コラム

判断力はサッカーからだけ得られるものではない

 1月末、神戸を訪れ、大木監督と1時間半ほどは話し2時間弱の練習を取材した。8人制サッカーが話題になると、必ず出てくるのが”局面の多さに比例した状況判断の向上”だ。ただ監督はそのことを気にもしていなかった。理由は2つある。
 
 一つは8人制だろうが11人制だろうが、 サッカーはゴールを狙いゴールを守るものだから。センアーノ神戸の練習はその原理原則に従って忠実だった。だから、冒頭に「特別な練習はしていない」と表現した。大木監督という指導者の成長とともに練習の質が上がり、サッカーの原理原則に対するアプローチの仕方が豊かになったのだ。一見簡単そうなトレーニングでもバリエーションを持ち、うまくいかない場合もうまくいきすぎる場合も即修正を加えて難易度を調整するから選手は練習に集中できる。
 
 もう一つはクラブの揺るがない“健全な 青少年の育成と明るく楽しい地域活動”という理念(コンセプト)にある。

「全員がプロサッカー選手になれるわけじゃないし、サッカーだけでなく、人生は 自分で選んでいかなくてはいけません。うちはAチーム、Bチーム、Cチームとあっ たら子どもたち自身がどこでプレーするかを投票して決めています。最終的に指導者が決めますが、ほとんど彼らと意見が同じです。Aは実力主義、Bは勝利を目指してサッカーする、Cは全員が試合に出場する。そんなふうに縦割りしていますが、すべて選ぶのは本人たち自身です」
 
 判断力は何もサッカーから得られるものだけではない。日頃から考える力を養っていればサッカーにもつながる。大木監督の 言葉からはその信念が伝わってきた。
 
 一人ひとりの子どもがサッカーを楽しみ、うまくなるために何をしたらいいのか。
 
 サッカーは日々進歩する。ならば指導者も進歩する必要がある。選手のために指導者がいて、クラブがある。そう考えたら大木監督とセルジ・ミラ監督の発言は本質的には同じだ。しかし、サッカーを取り巻く環境は同じではない。日本の育成が8人制サッカーと歩むのなら”今”向き合わなければならない。そのヒントがセンアーノ神戸にあるような気がしてならない。

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各都道府県大会の結果は、第41回全日本少年サッカー大会 特設ページから

 


 

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