湘南ベルマーレ・曺貴裁監督が語る“監督論”。「監督として最も咎められる言動は…」
2018年02月13日
コラム監督として最も咎められる言動
昨シーズンは1対0で勝利した試合が実に10度を数えた。以前ならば「なぜ2点目、3点目を取りにいかないのか」と言っていたし、昨シーズンもともに1対0で勝利した水戸ホーリーホックとの明治安田生命J2リーグ開幕戦、愛媛FCとの第4節後に「こんな勝ち方じゃあダメだ」と注文をつけた。
しかし、選手たちの反応がどうにも鈍い。試合の映像を見直しているうちに、彼らのなかでは1対0の勝利が精いっぱいであることがわかった。最初から1対0で勝とうとも思っていない。それでも、ガソリンを満タンにして必死に走っている車にさらにガソリンを、となれば壊れてしまう。
だから、考え方を変えた。かたちはどうであれ最終的にゴールが入ればいい、勝ちたかったら守ればいいという部分を、ある意味で度外視していた僕自身を変えた。再びJ1に挑む今シーズンもそういったところを取り入れていかないと、選手がもたなくなるといまでは考えている。
サッカーに対する理想は、僕のなかで毎年のように高まっている。ただ、理想に近づけるのがいまなのか、3日後なのか、3ヶ月後なのか、1年後なのかを僕自身がしっかり判断しなければ、選手たちの気持ちがスポイルされてしまうことがわかったシーズンでもあった。
選手たちはどんなときも、心の底から勝ちたいと念じながらプレーする。監督として最も咎められる言動は、彼らが必死の思いの末に選択したプレーを、何気ない言葉によって否定してしまうことだ。そうなったときのリバウンドは非常に強いものがあると、恥ずかしながら理解できた。
さまざまなものが積み重なった末に、新しい考え方にたどり着いたと思っている。岡田さんからかけられた「正直すぎる」という言葉は、頭の片隅に常に存在していた。正直でいるのが必ずしも悪いことばかりでもないと思うし、一方で正直という性格に乗っかったままなのもダメだと思った。
もちろん、正直だから許される、という世界でもないと言い聞かせながら指揮を執ってきた。その結果として選手も育ってきたと自負しているし、一方でアカデミーの若い指導者たちに飛ばしてきた「失敗を恐れるな」という檄の意味を、あらためて考えてもみた。
指導者に対する評価というものは、自分の意図しないところで上がることもあれば、下がることもある。自分のなかでいいと思ってもダメ出しをされる世界である以上は、とにかく無我夢中にチャレンジしていくしかない。指導者も楽しみながらチャレンジするという姿勢を、いつの間にか忘れていたのではないかと自問自答を繰り返していた。
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