湘南ベルマーレ・曺貴裁監督が高卒2年目の19歳にリーダーを任せた意図とは?
2018年02月19日
サッカーエンタメ最前線役割を与えることで成長が加速する
33人体制で臨むベルマーレは、ちょうど3分の1に当たる11人が開幕の時点で22歳以下となっている。そのうち7人をルーキーが占めているチーム構成は、Jリーグのなかでも稀有と言っていい。
もっとも、若手のなかでは石原とユースの同期生で、高校3年生に進級した直後の2016年5月に飛び級でトップチームに昇格していたリーダー格のMF齊藤未月がいる。
昨年6月3日のV・ファーレン長崎との明治安田生命J2リーグ第17節では、18歳だった齊藤をゲームキャプテンに指名している曹監督は、「(齊藤)未月は放っておいてもやると思っているので」と話し、あえて杉岡に任せた理由をこう続けた。
「大暉はベルマーレでまだ2年目ですけど、東京オリンピックをはじめとする舞台を目指さなければいけない選手だし、若手の模範となるような存在になってほしい。その意味でもっともっとリーダーシップを発揮してほしいし、年上の選手のなかで十分にできる資質もある。だからこそ、今年新しく入ってきた、年上の大卒選手たちを取りまとめるくらいの気概をもってやってほしい」
昨シーズンを通じて、杉岡は同じミスを繰り返さなかったと曹監督は目を細める。ミスを犯しても下を向かない強靭なメンタリティーを、J1の舞台を戦いながらさらに上のステージへ引きあげる。他のクラブでは見られない「ヤングキャプテン」は、ホープの成長を加速させる触媒でもある。
実際、『育成主義』のなかでは、FIFA・U-20ワールドカップでは4バックの左サイドバックを務めた杉岡についてこう綴られている。
“180センチ以上のサイズがあり、なおかつ左利きという左サイドバックは、いま現在の日本サッカー界にはなかなかいない。まだまだ伸ばす部分はあるけれども、そうしたポジションができるようになれば、森保一監督が就任した東京オリンピック代表や、その先に待つA代表にも居場所を築きやすいのではないかと個人的には思っている”『育成主義』より引用
杉岡だけではない。同じく東京オリンピック世代である齊藤と石原、武者修行中の神谷を2年後のヒノキ舞台に送り込む目標をベルマーレは掲げている。もちろん中堅や30歳以上のベテラン、期限付き移籍で加わっている選手や外国人選手も、所属する全33人が分け隔てなく育成の対象となる。
「状態は万全ですかとよく聞かれますけど、よくわからないんですよ。(今年のチームは)本当に楽しみしかないから」
J1の34試合を戦い終える12月1日には、果たしてチームはどのような成長曲線を描いているのか。期待と興奮で目を輝かせる曹監督に率いられるベルマーレはオフ明けの20日から、ホームのShonan BMWスタジアム平塚にV・ファーレン長崎を迎える24日の開幕戦へ向けた最後の調整に入る。
【商品名】育成主義
【発行】株式会社カンゼン
【著者】曺貴裁
四六判/256ページ
2018年2月20日発売
2017シーズン、J2優勝! 選手育成によって湘南ベルマーレを強靭なチームに作り上げた名将・曺監督による指導論とは。
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