「強制型しつけ」になってませんか? 指示待ちの子どもから”主体性”を養う「共有型しつけ」とは
2018年05月12日
コラム語彙力と主体性には関係がある
子どもの主体性と語彙力は、関係があるのでしょうか。
語彙すなわちコトバは、人とのやり取りを通して獲得していくものです。子どもは生後10カ月くらいから、個性が大きく出てくるようになります。
個人差も大きく、1歳半になると、同じ絵柄を見ても読み取るものが違うようになり、コトバの発達も違ってくるようになります。
例えば「犬」を見たときに「わんわん」と名詞を言う、もしくは「こわい」と感情表現を言う、といった認識の違い、発する言葉の違いが出てきます。
先ほどの、しつけスタイルの話と合わせて考えてみましょう。
共有型と強制型の違いで、語彙力や学力に差が出るかという研究では、共有型では語彙得点が高く、小学校の学力テストも良い、強制型では語彙得点は低く、学力テストも悪い、という結果が出たのです。
共有型しつけをする親は、親子のふれあいを大切に子どもと楽しい経験を共有したいと思っています。
共働きで忙しく、子どもとふれあう時間がなかなか取れないという場合でも、蔵書数が多く本好きの家庭で育った子どもの学力は伸びるという関係もわかっています。
さらに、幼児期に語彙が豊かだった子や、指先が器用で、うんと指先を動かすような工作などのあそびをたくさんしていた子は、小学1年生の学力テストの成績が良かったのです。
まさか、はさみを使ったり折り紙を折ったりする体験が、小学1年生の読み書き、読解力テストと関係があるなんて、思いもよらないのですが、この研究では、幼児期の語彙の豊かさと指先の器用さが、小学校の国語学力に影響することが示されたのです。
加えて、この研究を補完するものとして調査を行った結果、いわゆる難関試験(国家公務員一種試験、司法試験や医師国家試験など)を突破した人たちの多くは、子ども時代に共有型しつけを受けていたということも統計学的に裏付けられました。
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