「仲間」の存在は選手に何を与えるのか? バディーSCが示した一体感

2018年05月14日

コラム

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「仲間」がいるからこそ子どもは成長できる

 バディーSCは「JA全農杯チビリンピック 2018」に向けて20人のメンバーを連れてきていました。しかし、同大会のチーム構成の条件には原則として「小学6年生を主体とした選手16名以上18名以下」と明記されているため、2人はスタンドからチームを応援することになります。

 南雲監督はディアブロッサとの試合後、こんなことを教えてくれました。

「スタンドで応援していた2人の子が泣きながら階段から下りてきたんですよ。PK戦で大活躍したゴールキーパーの子は、昨年までメンバーにも入ってなくて、一年前までは、ボールを取ることさえも、ままならなかった子です。(スタンドで応援していた)2人は、自分の隣にもとき(※GK赤塚元輝くん)がいたのに、この舞台で活躍したのを見て、感動したみたいです。きっと『僕も頑張ろう』って思ったのでしょう」

 他の取材で2人の少年に話しを聞くことはできませんでしたが「仲間」の活躍を見てきっと強い刺激を受けたはずです。

 また、「練習試合や招待大会は選手に平等に同じ時間を与えていますが、市の大会や公式戦に関してはシビアに競争しながらやっています」と南雲監督が話すように、18名の選手がメンバーに入っても、基本的に出場するのは16人。残りの2人の少年は「控え」のメンバーとしてベンチで試合の戦況を見つめていました。

 この状況をどう感じているのか。1人の子に率直に聞いてみると「僕は試合に出れなくても、仲間のプレーを見ているだけで勉強になるので(笑)」と、満面の笑みで答えてくれました。ベンチに座りながらも試合に出場できない。そんな状況でも彼は前を向き、今、自分は何ができるのかを考えていました。

「『なぜ、今こういう行動を取らないといけないのか』とか、そういったことは常に選手に伝えてはいます。昔とかは頭ごなしに注意していましたけど今は『なんで』ということを選手に考えさせて『じゃあどうしようか』ってことを投げかけながら、子どもたちとはコミュニケーションをとっています」。南雲監督のアプローチもチームの一体感を生み出している理由の1つです。

 レジスタFCとの決勝戦では試合時間残り十数秒程から主将の金子俊輔くんが劇的な同点ゴールをあげると一目散にチームメイトの元へ走っていきました。ともに切磋琢磨して、全員で勝利を目指し、ゴールを決めて喜び合い、負けて悔しがり、苦しい時はともに支え合う。「仲間」の存在が選手やチームに大きな力を与えることをバディーSCは教えてくれました。

 「仲間」がいるからこそ選手は成長することができます。そして、その「仲間」は子どもたちの「一生の財産」になることに間違いありません。

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<関連リンク>
JA全農杯チビリンピック2018 小学生8人制サッカー大会

 

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