“あのゴール”から始まったバルサの伝説。イニエスタがスペインで愛される理由【後編】

2018年05月21日

サッカーエンタメ最前線

バルサ愛と家族愛

 両親と妹は、アンドレスの成功のすべてをハラハラ、ドキドキしながら傍で見守ってきた。試合の後、アンドレスはいつも家族に電話する。いいニュースの日もあれば、悪いニュースの日もあり、電話でそれについて話す。家族一の心配性は父である。

「何度も言いますが、本当にいてもたってもいられないんです。心配で、ナーバスになって試合をまともに見られないのです」

 落ち着いた性格の息子とは正反対である。しかし、アンドレスは父同様にシャイで口数の少ない青年だ。そしていつも冷静だ。

「付き合いは広いが、親友は少ないんです。話し手ではなく、あの子は聞き手に回ることが多いのです。そして争いを避けます。嫌だなと思っても、我慢して人の話を聞いているタイプなんです」

 イニエスタは、家族のことを最優先に考えている。そして、今ではバルサも家族と並ぶ重要な存在となっている。

「バルサにはとても小さい頃から関わっていますから。息子の人生はすでにクラブに所属している年月の方が、所属していなかった時間よりも長くなっています。マシアでは最年少でした。あの子はあの場所で成長しました。2歳年上の子どもたちと同居することが、息子をいっそう大きく成長させたのだと思います」

 他の子どもたち同様、環境に馴染むまでは苦労したが、最終的には順応できた。そこでの暮らしのすべてがイニエスタの人間としての成長を助け、またサッカー選手としての成長にも役立った。

「息子は、あの環境の長所だけを見て育ちました。そういう点であの子は賢い子なのです」と、父が語るように、確かにイニエスタは順調に成長し、世界でもトップレベルの選手の一人となった。

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