“あのゴール”から始まったバルサの伝説。イニエスタがスペインで愛される理由【後編】

2018年05月21日

サッカーエンタメ最前線

BARCELONA, SPAIN - APRIL 21: Andres Iniesta of FC Barcelona celebrates after scoring his team's fourth goal during the Spanish Copa del Rey Final match between Barcelona and Sevilla at Wanda Metropolitano stadium on April 21, 2018 in Barcelona, Spain.  (Photo by David Ramos/Getty Images)

故郷への感謝を忘れない

 イニエスタはピッチの中で輝く。

 そして理性的であり、秩序的であるともいえる。それは私生活でも変わらない。でしゃばることなく、いつも物静かである。

「外でお酒を飲んだり遊んだりするのは、昔から好きじゃありませんでした。家にいる方が好きで、あまりはしゃいだりしない、のんびりした性格なのです」

 練習がない日は、家族や友人と過ごす。夏休みはフォルメンテーラ島や、べグールといった近場の海で過ごすことが多い。そしてもちろん故郷フエンテアルビージャにも足を運ぶ。当然、村では有名人である。

「息子は村で何か頼まれれば、絶対にノーとは言いません。村の人々とは昔からの知り合いですからね」

 一家は、村とその周辺の地域活性化にも貢献している。ワイナリーを経営することで、村や周辺に住む人々に仕事を供給しているのだ。イニエスタは自分の名前の冠したワイナリーを持っており、父が率先して活動を行っている。

「この事業は多くの仕事があります。一日中、ブドウとボトルの管理ですよ」

 初出荷は大成功だった。“エル・コラソン・ロコ”と“エル・フィンカス・エル・カリル”が初出荷したワインで、アルバセテのクラブユニフォームに、その名前をスポンサーとして掲載している。ワインの宣伝が目的だが、イニエスタがサッカーを始めた地元クラブをサポートすることも目的の一つだ。

「自分たちの故郷を忘れてはいけません。人生では常に感謝する気持ちを持つべきです」

 この両親の言葉を、イニエスタは守ってきた。そして生涯忘れることはないだろう。さらに、父は続けて話す。

「繰り返しになりますが、息子は物事をきちんとやる性格なんです。周囲をがっかりさせないために頑張る、その責任感はとても強いのです。そしてたくさんの人が息子を見習って生きている。だからこそ、息子は彼らの期待を裏切りたくないと思っているのです」

【前編】「行きたくない」の一点張りだったイニエスタ。知られざるバルサ入団の秘話

BARCELONA, SPAIN - AUGUST 10: Andres Iniesta of FC Barcelona lifts the Joan Gamper trophy after the Joan Gamper trophy match between FC Barcelona and UC Sampdoria at Camp Nou on August 10, 2016 in Barcelona, Spain. (Photo by Alex Caparros/Getty Images)


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【商品名】バルサ選手のジュニア時代 家族の愛に支えられ夢を叶えた者たち
【著者】シーケ・ロドリゲス・ガイリ
【監修】浜田満
【翻訳】仲野美櫻
【発行】株式会社カンゼン

バルセロナで活躍するメッシ、イニエスタ、チャビ、ピケなど8人の選手の少年時代に迫る!息子たちの成功を陰で支えた親たちが語る知られざる家族の愛の物語。

バルサの育成組織カンテラで育ち、トップチームで活躍する選手たちは、幼い頃からビッグクラブでのプレーを夢見ていた。そんな彼らはどのような少年期を過ごし、どのようにしてトップチームへの階段をかけのぼっていったのか。


 

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