選手全員を公式戦に出場させる真の価値とは何か?【5月特集】

2018年06月01日

コラム

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どの選手にも真剣勝負を味わってほしくて3ピリオド制に

――『プレミアリーグU-11』は開催エリアも広がってきました。それぞれのエリアで加盟チームは増えているのでしょうか?

幸野「千葉県は今年から二部リーグ制になったので、チーム数は2倍になりました。千葉はベスト20がそろったことになります。少しずつ認知が広まっているようで、今年はJクラブが加盟してきています。千葉では柏レイソルが初年度からいますが、今年からジェフ市原千葉が入りました。埼玉では、浦和レッズと大宮アルディージャが加盟しています」

――ちなみに『プレミアリーグU-11』のことは、JFAは知っているのでしょうか?

幸野「JFAには草の根のサッカー人口を増やす役割を担うグラスルーツ部がありますが、応援してもらっています」

――なるほど。話は変わりますが、今シーズンから『3ピリオド制』にしたそうですね。

幸野「私は『プレミアリーグU-11』の開幕以来、千葉の試合はほとんど見ています。実はこれまでも3本目の試合をトレーニングマッチとして行っていました。それは出場できなかった選手たちをなくしたかったから。チームに20人以上抱えているクラブもあり、物理的に出場が難しいチームもあったのです。

 しかし、3年間見続けていて思うのは3本目の試合はモチベーションが極端に下がり、インテンシティの低い試合が繰り広げられていたのが現実なんです。当たり前ですよね? 試合の勝敗とは全く関係ないわけですから。だから、3本目も勝敗に直結するように関連付けたのです。

 私たちが『プレミアリーグU-11』をスタートさせたのはトレーニングマッチではなく、すべての選手に公式戦を通じて経験を積み重ねさせたかったからです。だから、すぐに話し合い、実行に移しました」

――すばらしい実行力です。

幸野「実は過去、東京や神奈川でもローカルのリーグ戦があり、『3ピリオド制』を導入していたそうなんです。でも、なくなったそうです。その理由は、ズルをするチームが出てきたらしいのです。『3ピリオド制』は全選手を出場させることが目的です。

 だから、勝ちたいチームは試合に連れてこない選手を作ったそうです。今もありますが、一学年に30人ぐらい在籍するチームがあります。勝利だけを目的とするクラブはそのチーム内で勝手に選抜した選手だけを試合に連れてきていたそうです。そうすると真面目に24人が在籍するチームが1ピリオドずつ24人を出場させているのに、そのズルしたチームは16人+αを選抜しているから試合に勝つわけです。

『プレミアリーグU-11』ではリーグ規則としてそこまでは明記していませんが、そもそも加盟の時点でリーグの主旨の理解と実行が条件です。だから、今シーズンからは必ず1選手1ピリオドは出場させることが条件です。それでも不満は上がってきます。24人以上抱えるチームは物理的に仕方ありませんが、マックスの24人は絶対に試合に連れてくるように伝えています」


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