「テストに落とされ続けた」少年時代。グリーズマンはどんな”武器”を手に入れ、進化していったのか?
2018年07月06日
サッカーエンタメ最前線
【フランス代表やユベントスで活躍したミッシェル・プラティニ氏】
プラティニに近い選手
フランスの多士済々のアタッカーたちはいずれも特別な才能に恵まれているが、スタンドから俯瞰的に見た場合、最も納得のいくプレーをしているのはグリーズマンである。つまり判断が常に的確で、相手のディフェンスラインの裏にも入れるし手前でもプレーできる。
そのどちらを選ぶか、そのときのポジショニングやプレーの選択がことごとく的確で流れを壊さない。この点ではミッシェル・プラティニに近い。プラティニも飛び抜けて速くもなければ超絶的な技巧を持っていたわけでもないが、どの能力をいつ使うかという判断が図抜けていた。得意技のゴリ押しではなく、
スマートに打開していくタイプだ。グリーズマンは走りながらのファーストタッチが絶妙で、パスを受けてシュートへ持っていく動作がよどみない。「正確さこそ速さ」の見本だろう。
フランス代表の最初のスーパースターは1950〜60年代に活躍したレイモン・コパ。本名はコパゼフスキーでポーランドからの移民だった。その後が 80年代のプラティニ、こちらはイタリア系。プラティニ後のスーパースター、ジネディーヌ・ジダンはアルジェリア移民の子だった。
グリーズマンも父がドイツ系、母はポルトガル。スターの系譜にあるわけだが、フランスのサッカー選手は少しさかのぼれば外国人というケースがほとんどでもある。ただ、スペインで育てられ、スペインでプレーしてスターになったというところは特殊といえる。
捨てる神あれば拾う神あり。フランスではプロになれないと言われた少年がスペインで成長し、逆輸入されて今やレ・ブルーのエースになった。可能性は捨ててはいけないのだろう。可能性は可能になってはじめてわかるものではあるけれども。
<プロフィール>
アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表/アトレティコ・マドリー)
1991年3月21日生まれ、フランスのマコン出身。13歳のときにレアル・ソシエダの下部組織に入団。同クラブでトップデビューを飾り、2014年からアトレティコ・マドリーに加入。フランス代表としてもEURO2016の決勝進出に貢献し、同大会の最優秀選手賞・得点王・ベストイレブンに選出された。
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