町クラブの厳しい現状――。「コーチという生き方」のさまざまな問題点
2018年07月22日
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町クラブコーチの厳しい現状
渡辺さんの話だと、ヴィヴァイオに見学に来た子どもたちは、体験練習することもなく、すぐに「入りたい」と言い出すという。あとで練習風景の動画を見せてもらって驚愕したのだが、子どもたち全員ボール扱いが恐ろしくうまいのだ。
関西の何チームかで伝統的に行われている練習を毎日やるとそうなるという。見学に来た子どもたちはそれを見て「自分もこんなふうになりたい」と思うのである。
ボールを持てる。取られない。余裕ができれば、プレーは楽しくなる。「うちは全部のポジションでボールが持てるようにするんです。だからセンターバックが平気で5人ぐらい抜いていきますよ」渡辺さんが笑いながら言う。
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――このような指導だと、個性が伸びやすくなるんでしょうね。
渡辺「大人の顔色を見て、サッカーをしていないんです。常に自分たちで考えてやるから、失敗が許されるんです。関東のチームは、ミスしたら怒られるから、ぱっとベンチを振り向いて大人の顔色を見るんです。でも
関西のチームはまったくそんなことがないんですよ。『失敗してもいいよ、チャレンジしようぜ』と言われてますから。関東は『失敗するな』ですから。
――そうすると、変えた当初は成績は残らなかったんじゃないですか。
渡辺「残らないですね。見事にぜんぜん勝てないです。ボール持たせますから、結果なんか出るわけない。だけど、だんだん上手くなっていったり、だんだん判断がよくなっていったりするわけですよ。そうすると高校で活躍しだすわけですよ。
この前FC東京とやったんですけど、スコアは 3-2でしたけど8割がたうちがボール持ってるんですよ。チンチンにしてるんです。相手のコーチはおそらく衝撃を受けていたと思います。こういう経験を積むことで、目の前の結果は出なくとも、将来絶対うまくなる、自立した、自分で判断できる選手になると信じられるんです。だから我慢できる」。
――なるほど。たしかにJリーグをぽっと辞めてコーチになった20代の若者がそこに気づくのは難しいでしょうね。
渡辺「難しいでしょうね。ただ、これで何十年も飯を食っていくんだと真剣になれば、この領域に踏み込もうとすると思うんです。でも余計なプライドがあったり、給料の問題があったりする。それから、将来が見えない。人間って、将来が見えないと頑張れないじゃないですか。
その組織の中で数年後にもっと地位が上がっていくなとか、充実感のある経験ができるなとか、給料も上がるなということがあれば、絶対人間ってモチベーションが上がるんですよ。
でも今の状況ではそれが見えないと思う。絶対に。だってJの下部組織に入ったら、一年契約ですから、下手したら一年でクビ切られる。継続的に仕事ができて、数年先はこうなっているだろうというビジョンが持てなければ、人間はどうしてもモチベーションを保てないですよ」。
――たしかに 12〜13万円の手取りでは家族を養うことは不可能でしょうし、将来のビジョンは持てないですね。Jリーガーやめて町クラブのコーチになった人って、どうやって生活してるんだろう。
渡辺「結局、数年したらやめちゃうんですよ。何年かやると、別にJリーグ出身とかじゃなくても、サッカー専門学校を出てきた若い子とかでも同じです。生きていけないんで終わるんですよ。『結婚するんでやめます』って」。
――(笑)結婚退社、OLみたいですね。すると、サッカーの技術があって、教える情熱もあるんだけど、結局は生活のために一般の仕事につくことになる。
渡辺「受け入れるクラブ側にも問題があって、結局、若い人間で回したほうが給料が安くて済むじゃないですか。5年経っても給料が上がんなかったら、いやになってやめますよ。そうしたらまた新しく若い子を雇う。そうやって回しているチームもありますよ。もちろん町クラブの中でも、きちんとお金を払って熟練したコーチを固定して雇っているところもあります」。
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