GKのコーチングは「味方が理解できなければ意味はない」。コーチング向上の秘訣は“練習での熱量”

2018年08月24日

メンタル/教育
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GKは試合中、常に声を掛けて味方とコミュニケーションをとり合う必要があります。ただ、GKが話した言葉の意味を味方が理解することができなければ、コミュニケーション自体が成り立たなくなります。コーチングとは「伝言ゲームをすべてつなげること」。この言葉の意味を紐解いていきます。

『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より一部転載して紹介します。

文●川原元樹 構成●清水英斗 写真●Getty Images

『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より一部転載


BRUSSELS, BELGIUM - JUNE 05:  Goalkeeper, Thibaut Courtois of Belgium in action during the International Friendly match between Belgium and Czech Republic at Stade Roi Baudouis on June 5, 2017 in Brussels, Belgium.  (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

GKのコーチングは伝言ゲームをすべてつなげること

 コーチングは、まずGKが何を思うのか。それがコミュニケーションの始まりです。その次に、GKが何を言うのか。そして、それを言われた選手が、何を理解するのか。最後に、その選手が何をするのか。伝言ゲームのような話です。その間にノイズが入ったり、時間がなかったり、相手のプレッシャーがあったりと、いろいろな邪魔が入ります。だからコーチングと言っても、まずはGKが思っていることを言えなければ、伝言ゲームの最初で失敗します。そして言ったとしても、相手が理解できなければダメです。

 たとえば、「中を切れ」と言ったとしても、相手が考える「中」が、どういう「中」なのか、わからないかもしれない。斜めに入れてくるクサビを切るのか、あるいは横パスを切るのか。「中を切れ」と言っても、中の全部を切るのは不可能ですから、その意図が合わなければ、相手は理解できません。あるいは「ボールに行け」と言ったとしても、ボールに行くアクションが、どういう行き方なのかわからないかもしれない。そうなると、コミュニケーション自体が成り立たなくなります。

 コーチングとは、伝言ゲームをすべてつなげること。短い言葉が何を意味するのか。「トレーニングのときに言ったのは、こういうことなんだよ」とお互いに確認しなければいけません。「ボールに行け」というのも、相手選手にボールが入ったときに行ってほしいと確認をしたり、あるいは「ボールに行け」を、「もっと寄せろ」「足を出せ」と言ったり。「足を出せ」と言えば、ボールまで行って足を出さなければいけないですよね。より具体的なアクションになります。細かなところですが、コーチングにおいては重要ですね。わかりやすい例として、パスをもらうときもあります。

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