「マンツーマン」と「ゾーン」。2つのディフェンスの違いは?
2018年09月02日
コラムイメージは「水族館のイワシの群れの動き」
このとき、ボールホルダーに対峙する選手たちの心理として、自分が周りの味方にカバーされている安心感が持てる、という大きな効果も生まれます。この1対1を絶対に止めないといけない!
という心理が働くと選手はパニックに陥りやすいものですが、ゾーンディフェンスはそういう感覚を極力持たずに落ち着いて対応しやすくなる効果が生まれるのです。センターバックが一人で対応して止めないといけないわけではなく、その隣にはもう一人のセンターバックもいれば、サイドバックもいます。ボランチの選手もプレスバックしてボール周辺に数的優位を作ってくれるわけです。
では、ボール周辺から離れたポジションを取った相手選手にボールが出そうなときはどうすればいいのか。そのときは逆サイドに対してもっとも近いポジションを取る選手が、ボール周辺の動きを見ながら、ボールが出てきそうだ! という予測を効かせて素早く移動して対処します。
そして、他の選手たちは、移動したボールの位置、そして移動した味方の位置に連動するように、スムーズに全体がスライドしていけばいいのです。私はこれを「水族館のイワシの群れ」のような動きだと例えるのですが、まさにあの集団的な動きをイメージしてください。
まずはボール周辺に守備者全員で常に数的優位を作ること。これが原則となります。逆に、攻撃側がよく「2対1の数的優位を作れ!」といった狙いをもって攻撃しようとするのですが、それは相手がマンツーマンディフェンスを前提としている考え方だといえます。人とボールが動き、相手を動かしながら空いたスペースに対して3人目が入ってきて攻略する、というのが理想なのだと思いますが、これに対してゾーンディフェンスで守る場合、相手の動きに守備のポジションが左右されません。相手がボールを動かしながら頻繁に人が出入りしようと関係ありません。
つまり、常にボール周辺に数的優位を作ることを原則とするゾーンディフェンスは、ボール周辺に、そしてゴールへ直結するエリアや道筋に守備の穴ができにくいのです。
■最新号は「守備」特集!
【商品名】『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.50』
【価格】1,320 円(税込)
【発売日】9月6日(木)
【特集1】5つの視点から学ぶ 12歳までの『守備戦術』
◇元日本代表センターバックに聞く守備の極意●岩政大樹
◇ジュニア年代でおさえるべき守備の原理原則●松田浩
◇ドイツでは守備戦術をどう教えるのか?●中野吉之伴
◇中村航輔選手を輩出した柏レイソルのGK育成論●井上敬太(柏レイソルGKコーチ)
◇チームの守備は等間隔を意識する●西宮サッカースクール(兵庫)
【特集2】サッカーがうまくなる ジュニア年代のカラダづくり
◇日本代表コーチが教える「コンディショニングの基礎知識」●早川直樹
◇日本代表・武藤嘉紀選手も実践!可動性&安定性トレーニング●寺田拓司
◇横浜FCチームドクターに聞く!ジュニア年代に起こりやすいスポーツ傷害への対応●佐藤秀樹
◇脊柱と股関節の可動性を高めるヒグトレ●樋口敦
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 長期離脱中に中心選手じゃなくなった
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2016年度の参加メンバー768名を発表
- 成長期におとずれる「クラムジー」に対して保護者と指導者は何をすべきか?
- 全少優勝経験者、カレン・ロバート選手が語る少年時代