スケジュール、出場機会、ボールの蹴り合い…。大会を通して見えてきたU-12年代の問題点/ジュニサカ会議1【9月特集】
2018年09月07日
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いかに認知・判断の伴ったプレーをさせるか
木之下「確かに試合を見ていても、ジュニアの試合では『浮き玉の処理』、 いかに足下に素早くボールを収めるかは重要なポイントだと感じます。例えば、アルゼンチンだときちんとボールが収まるまで次のプレーに移るなと言っているそうです。要するに、1タッチ目のコントロールをミスしたとしても、2タッチ目のコントロールでしっかりとボールに収められたら1回目のコントロールミスは問題にならない、と。(フウガドールすみだの)須賀監督もそこは発言していました。スペイン人はボールがきちんと収まらない状態で『とりあえずお前に預けた』というようなパスを出した時、非常にそのプレーに対して嫌悪感を示すようなそぶりを見せる、と。
日本の選手ってボールコントロールをミスした時に足先だけで「とりあえず預ける」というようなプレーが特にジュニアでは数多く見られます。そのあたりは試合環境づくりの面で捉えて、『認知-状況判断』というところで言えば一つ先のプレーを見ることができないというデメリットになっています。ボールを蹴って、さらに蹴って、そしてセカンドボールの争いというシーンがあまりに多すぎる。もう少し丁寧にボールを扱って、味方と丁寧にボールを前進させるような環境づくりには年代によって着手した方がいいのかなと思います」
中澤「確か、スポナビの記事だったと思うのですが、『日本の高校サッカーはなんとなくボールを蹴って、なんとなくゴールを目指して、なんとなくしかサッカーをやっていない』という内容のコラムを目にしました。ジュニア年代を取材していると、『なんとなく』というサッカーは数多く見られます」
木之下「ムダな肉弾戦が繰り広げられていますよね。この夏はそれで疲労しているチームが数多くあったと思います。もっとチームとして意図するプレー、共有したサッカーに取り組むことが必要だと考えています。最近ではプレーモデルと言われ、私たちも6月特集(サッカーにおける「視る」とは何か)の際にfootballista編集長の浅野賀一氏にそのあたりを取材しましたが、WEB編集長としてどう思いますか?」
高橋「個人的には、チーム全体が意図したプレーを実行することは大事だと思います。子どもがやっているプレーというのは、裏を返せば大人が考えているプレーだとも捉えられます。いわば、鏡のようなもの。日本のジュニアの現状はなんとなくサッカーをやりながら、なんとなく大会に出場している現実がある思うんです。ローカルルールを導入することも大事ですが、それを何のために取り入れるのか、このルールは子どもたちのどういうところを成長させたいからやっているのかをまだ運営レベルで考えきれていないのかなとも感じています。
バーモントカップを見ていてもそうですが、ピッチが通常よりも狭い状態で行われています。そうなると、プレッシングが早いチームが有利だったりするので、どうしてもボールを前に運ぶために『とりあえず蹴ってしまう』というプレーが増えてしまう傾向にあります。今年はまだしっかりボールを丁寧につなぐチームが増えましたが、どうしても現状のスケジュールの中で大会運営者も限りある時間の中で大会を終わらせるためにこなす感みたいなものがあって、そのあたりも『なんとなく』という部分につながってしまっているのではないかと思います。『環境を作る』という意味では大人の努力が足らない部分はまだまだ感じるところです」

【ジュニサカWEB編集長の高橋大地】
※第2回の座談会は10日(月)掲載予定
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