管理栄養士が語る「食事の基本」。カラダづくりに必要な”6つの色”の栄養素とは
2018年09月28日
コラム栄養吸収の構造を知らなければサプリも逆効果の可能性がある
――朝食は摂らないより摂った方がいいですか?
川上「食事をすることにより、まずは体が目が覚めます。なぜなら胃腸が活発になるからです。お味噌汁一杯でも飲めば、細胞は動き始めますから。朝から食が細い選手もいますから、その場合はお味噌汁の中に具をいっぱい入れてくださいと言っています」
――なるほど。体にスイッチを入れているわけですね?
川上「食事は習慣です。子どもの頃に食べなければ、大人になっても食べない子は多いです。習慣化しているので、お腹に入らないという選手もいます。食べられる選手は朝からご飯300gくらい食べる選手もいます。例えば、雑穀米にしてビタミン類を一緒に摂取したり。その場合、ビタミンB群が含まれるのでエネルギーに変わりやすいんです」
――雑穀米は健康にいいと言いますが、本当なんですね。
川上「茶色系の炭水化物、他にはライ麦パン等、糖質だけでなく、ビタミン類や鉄分、カルシウム等もしっかり体内に取り込めます。タンパク質を車のエンジンだと例えると、脂質と炭水化物はガソリンです。ただ、エンジンを円滑に動かすにはオイルが必要です。その役割を果たすのがビタミン類やミネラルです。だから、ライ麦パン等がエネルギーに変わりやすいんです。もし野菜と一緒に取れなくても、雑穀米なら効率よくエネルギーに変えられます」
――ビタミン類やミネラルも一回の食事の中に必要なものなんですね。
川上「そうなんです。エンジンを効率よく動かせないからエネルギーに生成できないんです。タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン類&ミネラルはどれが欠けても効率よくエネルギーとして体の出力にはなりません。
よくトップアスリートに『タンパク質の部分をプロテインなどのサプリで摂取してもいいんですか?』という質問を受けますが、サプリは摂取しすぎる可能性があるんです。食べ物は胃で消化して腸で吸収し、肝臓がその栄養を体に分配していきます。ただ大量摂取は特に肝臓が働きすぎの状況に陥ってエネルギーを消費しすぎるため、体内に疲労が溜まる原因の一つになります」
――摂取オーバーな上に、人工的な食べ物だから自然の栄養よりもエネルギーを使うということですか?
川上「その通りです。人間の体は分解できる量や分配できる量が決まっていて、栄養も摂取しすぎるとキャパオーバーの栄養については体外に排出されるようになっていますし、それぞれの内臓が働き続けることになってしまうため、休息を取る暇がない状態に陥ります。例えば、食事をした後にサプリを摂ります。すると、オーバーしている栄養が出てきてしまう場合があります」
――サプリの量を減らすということではダメなのですか?
川上「すべての色の、それぞれ目安となる量の食べ物を一回の食事で摂っていれば足りない栄養はありません。それをわかってサプリを体内に入れていれば問題はありません。私もサプリの摂取そのものは反対派ではありませんし、場合によっては有効に使う必要があると思っています。例えば、海外遠征に行って外食が増えると、どうしても栄養が偏ってしまったり、国によっては生野菜が食べられないことも多々あります。そこで有効活用する分にはむしろプラスに働くと思います。そこは補うということです。
私が栄養を食事で摂ってほしいもう一つの理由は『噛む』作業を行うからです。噛む作業自体が体に刺激を与えて唾液を出すことにつながります。つまり、脳に命令を与えて胃を活発化させ、消化や吸収の号令にもつながるし、唾液が出ると免疫力もアップするんです。サプリは、その人間の構造をショートカットする行為なので、どうしても摂取の仕方によってはデメリットを生む可能性もあります。だから、基本は食事をきちんとするのがいいのです」
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