管理栄養士が語る「食事の基本」。カラダづくりに必要な”6つの色”の栄養素とは
2018年09月28日
コラム食事は体を動かすエネルギー源になります。だからこそ、栄養バランスのとれた食事を毎日とることが重要です。しかし、サッカー少年・少女たちは学校から帰宅してからすぐに練習があったり、朝早くから試合があるため、食事の栄養バランスが偏ってしまうこともあります。今回は管理栄養士の川上えり先生に「食事の基本」について話を伺いました。
取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之
【管理栄養士の川上えり先生】
基本的な食事の取り方は6つの色を目安にするとわかりやすい
――管理栄養士として、最初にアスリートに伝えていることは何ですか?
川上「シンプルに『食事を楽しみましょう』ということです。最近は『食トレ』と言われ、食事もトレーニングの一つとうたわれるようになりました。確かに、それもすごく大切なことです。でも、食事は心をリセットできる時間でもあります。だから、私は食事を楽しむことを重要視しています。自炊や外食でも、まずは自分が楽しくおいしく食べられるものを摂ることが基本です。その中で、アスリートとして抑えるポイントは意識してください、と伝えています。
例えば、栄養管理の面でいうと、各選手によって栄養素や必要カロリーなどは細かい数字が設定されています。それは、それぞれの選手に対して必要な食事なので大切なことです。でも、あくまで目安なので、その数字だけに捉われないように自分の感覚の中で判断してもらうように言っています。管理栄養士が提示したものに対し、自分なりに摂取してみて『自分の体にはどうなのか』と向き合うことが大事なことだと指導しています。
どう体が反応しているのか。体重を測ってみて足りているのかどうか。夜これを食べたけど、翌朝胃もたれをしてしまうから合っていないなど、選手自身の感覚で判断し、それをヒアリングした上で選手に合った手段や解決方法など探っていっています」
――ベースとして食べるべき栄養はどんなものがありますか?
川上「私は体に必要な栄養素を6つの色にわけて選手たちに教えています。白、赤、黄、緑、黒、青です。白は炭水化物。主にご飯やパン、麺類です。赤は動物性のタンパク質で、肉や魚、卵です。黄は植物性のタンパク質で、大豆類等です。緑がビタミン類で、野菜や果物です。黒がミネラルで、キノコや海藻類です。青は水分で、水やお茶です。卵については動物性か植物性かを迷う方もいますが、その場合は何から生まれているかを考えてもらうとわかります。これらをポイントとして抑えてもらい、一回の食事ですべての色が入るようにしてください、と」
――分量や割合は気にしなくていいのでしょうか?
川上「はじめはカロリーから算出し、それぞれに対して大体の量を伝えています。選手によってそれぞれに量が異なりますから。野菜でいうと、フレッシュサラダの場合、両手のひらいっぱいの量が1日分の消費量としては目安です。火を通すと、片手のひらにこんもりとした量で一回分。野菜は、色が濃い野菜と薄い野菜を彩りよく散りばめることがより良い摂取の仕方だと思います」
――色が薄い野菜は、例えばどんなものですか?
川上「レタスやキャベツ等、ようするに中身まで色が入っていないものです。ナスやキュウリ等は包丁で切ったら中身の色が薄いですよね?」
――とてもわかりやすいです。例えば、アスリートだと朝から練習しますが、朝食は量を食べられない選手もいると思います。Jクラブだと、9時くらいにトレーニングが始まるので、逆算すると6時半、7時くらいには食事をしなければいけません。そうすると、食べられる選手も食べられない選手もいそうです。
川上「何が食べられるか? どのような形状のものだったら食べやすいかを、まずはヒアリングします。ご飯が食べられないなら、パンやオートミール等を勧めています。オートミールをおかゆのようにしたり。また、野菜ジュース等でビタミン類を摂取してもらったりするようにアドバイスしています」
――最近はスムージーが流行りましたが、あれはどうですか?
川上「手軽な摂り方としてはOKです。栄養価は3分の1になりますが」
――えっ? そうなんですか?
川上「酸化してしまうので、大体それくらいになっています。だけど、分量が摂取できますから多めに飲んでもらえたらいいと思います。朝スムージーを飲むことによって胃腸が活発になるため、摂取しないよりは摂取したほうがいいです」
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