育成、指導者とは。4種、3種、2種と続いていく問題。解決策は…?/指導者座談会6【9月特集】
2018年10月05日
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【アーセナルサッカースクール市川U-10・12の南里雅也監督】
ジュニア指導者から見てジュニアユース指導者のレベルアップは急務
高橋「他に、何か言いたいことはありますか?」
末本「個人的に40歳となり、現場を見られるのは残り10年くらいやれるかどうかだと感じているんです。だから、どこにミッションを置いて、どこに重点的にパワーをかけていくか、自問自答しているところです」
南里「協会の活動とは別に、私たちは『U-11プレミアリーグ』に力を注いで改革していく挑戦をしています。現在、全国で20都道府県まで広まってきたので、『現場の自分たちでもできる』ところを見せること、そして都道府県協会の指導者ライセンス関連の研修だけではなく、よりリアルな現場指導に対する講習会等を各地域にも行っていきたいと思っています。
有志で集まった『FOOTBALL LEADERS』で少しずつは独自の講習会を開くことで様々なことを共有できてきているので、 4種の指導者の意識は少しずつ変わってきていると思います。
懸念材料としては3種、2種の指導者やチームは心配です。4種の指導者だけを改革しても、カテゴリーが上がった時に選手が前に進まなくて後退してしまう可能性もありますから。実際にトレーニングがおもしろくないなどの声が私の耳にもいくつか聞こえてきています」
高橋「3種、2種になると、なぜそういうことが起こるんですかね?」
南里「なぜでしょうか?」
木之下「3種が一番どういう指導をしたらいいのかと曖昧に感じてしまうからだではないでしょうか。例えば、ユースは成人に近く、ジュニアはサッカーとの出会いで個人に向けてアプローチをすればいい。
でも、3種ってグループとか言われるけど、具体的にどの段階なのか、どういう指導をすればいいのかが曖昧な部分が多くて日本の指導者にとってはサッカー、そしてトレーニングを捉えにくいからだと思います。
だから、私は3種が最もサッカーに関する知識が問われる年代だとも感じています。何を学んでいいのか。何を見るのか。どうサッカーを分析して見ていくのかがわからないのかな、というのが私の見解です。それはJのジュニアユースを含め、その年代の指導者たちを取材した感想です」
末本「私は指導者の層が4種と違うと考えています。U-12には、我が子がサッカーを始めたからコーチを始めたお父さんコーチのような指導者と、子どもは卒業したけれど楽しくて続けてくださるお父さんコーチ、そして社会につながっている保護者と、多くの大人がいます。
また、私たちのようなクラブチームの指導者、大学生の卒業生コーチ、また長年クラブを運営している熱い代表がいて、様々な人たちが混在しているからこそ、根っこはブレずに安定していて、かつ柔軟な発想も受け入れられる環境があると神奈川に関しては感じています。
しかし、3種の現場に行くと先生、学校が中心の体育&部活がベースとなっている現状があります。4種で指導を受けてゲームの中で変化を感じてきた選手たちはまずそのギャップに戸惑います。最近ではクラブチームが増えてきましたが、3種の現場に行くと経験や知識の豊富な30~40代の指導者の数の少なさに驚かされます。素直に、クラブ経営の難しさが物語っているとも感じます。
指導者の経験とその蓄積、また社会につがっていることで生じる社会性は、指導者にとって大切なものだと考えているのでサッカーの知識だけでなく、教育的かつ社会的な知性も求められる3種年代で経験ある指導者が、数多く現場に立つ環境を作ることはサッカー界全体としての課題だと思います」
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