「足が短い」から不合格。世界最高のフットボーラーが10歳で味わった挫折

2018年10月14日

サッカーエンタメ最前線

テストの結果は明白だった

 少年は期待を抱えていたが、しかし人生というものはときとして、あれだけ幼い人間にも過度の重圧をかけてしまう。ルカはスプリトの下部組織で、2週間の挑戦に臨んだ。ダルマチアの人々にとって大切な存在であり、その地域の子どもたちにとっては、ほぼ信仰の対象である夢のクラブでの挑戦。それは大変な努力をしてきた家族に報いるためのものでもあった。
 
 結果として、その挑戦はうまくいかなかった。

 まだ十分に発育していなかったルカは、あまりにも小さく、フィジカルが欠如していた。ハイドゥクが導き出した結論はそうしたステレオタイプのことであり、明らかに秀でているボールを扱う技術も、プレービジョンも重視されることはなかった。

 ハイドゥクの責任者たちは、ルカを一目見たときから疑いを持ち、それが選手としての評価に大き過ぎる影を落としたのだった。彼はまだ、発育途中であったというのに。

 ハイドゥクの有権者たちはルカの「足が短い」と判断した。その特徴は後年に、ルカに強力なポテンシャルを授けることになるのだが、彼らが気づくことはなかった。テストの結果は明白で、フィジカルに関して明らかなハンディキャップがある限り、ハイドゥクでは通用しないということだった。父親の人体計測でも目を引くものはなく、未来に何かが変わるという根拠も見つからず。この結論は、少年の頭から片時も離れず、何週間にもわたって尾を引くものとなった。

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