「足が短い」から不合格。世界最高のフットボーラーが10歳で味わった挫折
2018年10月14日
サッカーエンタメ最前線中盤の要としてロシアW杯でクロアチア代表を決勝戦に導き、大会MVPに輝いたルカ・モドリッチ。そんな彼は10歳の頃から有望な少年だった。しかし、憧れのクラブへの入団テストで挫折を知ることになる。その経験が世界最高峰のフットボーラーの原点となった。『ルカ・モドリッチ 永遠に気高き魂』から抜粋して紹介する。
『ルカ・モドリッチ 永遠に気高き魂』から一部転載
再構成●ジュニサカ編集部 著●ビセンテ・アスピタルテ、ホセ・マヌエル・プエルタス 翻訳●江間慎一郎 写真●Getty Images
ハイドゥクは子どもにとっての憧れ
NKザダール下部組織の有望な少年だったルカ・モドリッチ、マリオ・グルグロヴィッチは、クラブの承認を得ないまま、わずか 10歳でそこを出て行った。イタリアの国際トーナメントの開催中に、ハイドゥク・スプリトのテストを受けたのだった。
2人が有していた巨大な才能を伸ばしていくためには、NKザダールはあまりにも小さなクラブとなっていた。そうなった時点で、下すべき決断は明白なものだった。ハイドゥク・スプリトこそが、次に踏むべき一歩だったのである。
ハイドゥクはディナモ・ザグレブと並ぶクロアチアの2大クラブの一つで、旧ユーゴスラビアでは現セルビアのレッドスター、パルチザン・ベオグラードも含めて4大クラブの一つに数えられていた。
ダルマチアの子どもたちにとってハイドゥクは、フットボールをプレーし始めてからすぐに憧れを抱くチームであり、その当時には栄光の日々を過ごしていた。1994-95シーズンのチャンピオンズリーグでは、ベスト8まで到達するという最大の偉業を達成。彼らを敗退に追いやった相手は、セードルフ、クライフェルト、カヌ、リトマネン、デ・ブール兄弟を擁して、ルイ・ファン・ハールが指揮を執った同シーズン王者のアヤックスだった。
ハイドゥクは、クロアチアのセンチメントの代弁者でもある。そのエンブレムに描かれた伝統的な赤白のチェス盤は、クラブが創設された1911年から存在するものだが、何年にもわたってそれを隠すことを余儀なくされた。1945年からユーゴスラビア社会主義連邦共和国の象徴として、チェス盤の代わりに赤の五芒星を置かなければならなかったのである。
あのユニフォームに袖を通すという誘いは、並外れて誇らしいことであり、モドリッチ一家にとっては息子のために逃すことのできないチャンスだった。
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024 関東トレセンGKキャンプ」が開催!
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- 「2024 関東トレセンキャンプU-14」参加メンバー発表!
- 「下手だからやめろ」と言われる息子
- いま注目のセレッソ大阪・柿谷曜一朗選手特集!! 1対1を制する超実戦的フェイントと少年時代の思い出
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- 人口450万人の小国・クロアチアから“天才”が輩出され続ける理由
- クラブとともに戦い、走り続ける背番号13――。FC岐阜の永久欠番
- 「軽い」と言われる選手は重心移動ができていない!? 守備力向上のヒントを探る