「止める」「蹴る」「運ぶ」を疑う。大阪の強豪・RIP ACEの育成哲学

2018年10月26日

コラム

全国大会出場をはじめ、Jクラブや強豪校に選手を送り込んでいるRIP ACE SOCCER CLUB(大阪府)。関西の強豪クラブはどのような育成哲学を持ち、どのようなドリブル指導を行っているのだろうか。クラブを創設した一人でU-12監督である守山真悟氏に「ドリブル」をテーマに話を伺った。

『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.47』より転載

取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部


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【RIP ACE SOCCER CLUB(大阪府)U-12監督の守山真悟氏】

ドリブルだけのドリル的な練習は絶対にやらない

 U-12の監督を務める守山真悟さんは、『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.47』の特集テーマ「ドリブル」の話題を切り出すと、思いもよらぬ答えを口にした

「うちのコーチ陣は止める、蹴る、運ぶという一般的な表現をほとんど使いません。『そもそも、それって誰が決めてん?』。そう思ったのが10年ほど前です。チームを立ち上げた頃は、他のクラブと同じようにドリブル練習もたくさんやっていました。徹底的に子どもたちを鍛えたことで、結果が出るようになりました。

 でも、大阪でも上位のチームと試合をすると、全く勝てなくなる。それが続き、『なぜ?』とコーチ 間でいろんな意見を出し合っていたら、常識を疑うことにたどり着きました。『私たちが教わってきたサッカーでも、様々な講習会でも常識のように言われている止める、蹴る、運ぶって本当に正解なのか?』。

 単純にいえば、サッカーがうまければボールは失わないし、試合に勝てる。ならば、それらの要素をバラした技術練習に意味があるのか?そこからは自分たちが試合で起こる現象をよくみて研究しました。日本でなく、世界に目を向けました。すると、『うまい選手はプレーの動作が自然だし、同じである』ことに気がつきました」

 監督と1時間ほど話をして、子どもたちがプレーしている姿を見たら妙に納得した。日本代表の長友佑都選手がブラジル戦(2017年の欧州遠征)後に「やれ!とやらされてきた身体と思考、サッカーを遊び感覚で楽しんできた 身体と思考では積み重ねると大きな違いがでる」とツイートしていたが、リップ・エースの子どもたちの動きは遊び感覚でサッカーをプレーしているように映った。

「クラブのコンセプトを言葉に表すと『動作』と『戦術』に基づいたサッカーをすることです。例えば、ドリブルが必要だからと、ドリブルだけのドリル的な練習は絶対にやりません。ゴールを狙い守る原理原則としてのサッカーがあって、その枝分かれとして『運ぶ』がある。おそらく『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.47』の特集テーマの『ドリブル』に当たると思うのですが『運ぶ』には一人でやることもあれば、二人でやることも、三人でやることもあります。状況が左右しますから。運ぶをドリブルというテクニックにぶった切ってすり替えてしまうと、私たちが考える『サッカーがうまい』には当てはまらないのです」
 
 これがサッカーを自然にプレーしているように見えた理由だろう。それが何かといえば、子どもたちはそれぞれが自分なりのプレー動作をしていることだ。彼らの判断基準はうまくやれたかどうか。プレー動作の形は人それぞれだし、他人に当てはめることはしない。取材時もウォーミングアップでヘディングをやっていたが、うまくいかない選手には「こうやるんや」と周囲が楽しそうに手本を見せていた。結果的には、うまい選手を手本にしているからプレー動作は類似点が多い。しかし、同じではない。サッカーがうまければプレー動作もうまい。シンプルだが、本質をついた指導である。

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