人口450万人の小国・クロアチアから“天才”が輩出され続ける理由

2015年08月28日

サッカーエンタメ最前線

かつて『東欧のブラジル』とまで称された旧ユーゴ諸国のなかで、クロアチアは切れ目なく優秀なフットボーラーを輩出している。なぜ人口約450万人の小国であるクロアチアから多くの天才的なプレーヤーが生まれるのか。クロアチアサッカー協会において技術部門の責任者を務めるロメオ・ヨザク氏の言葉から、その理由を探る。

(文●長束恭行 写真●Getty Images)

『欧州フットボール批評special issue03』より一部抜粋


BARCELONA, SPAIN - MARCH 22:  Ivan Rakitic of Barcelona takes on Luka Modric and Toni Kroos of Real Madrid CF during the La Liga match between FC Barcelona and Real Madrid CF at Camp Nou on March 22, 2015 in Barcelona, Spain.  (Photo by Alex Caparros/Getty Images)

クロアチアが優秀な選手を輩出する理由

――クロアチアのサッカー指導者に「なぜクロアチア人の間で優秀なサッカー選手が生み出されるのか?」と尋ねると、おおよそ誰もが「遺伝によるもの」もしくは「神が才能を授けた」と答えます。育成分野におけるスペシャリストとして、そしてクロアチア・サッカー協会のテクニカルディレクターとして、貴方はどのような見解をお持ちですか?

「神が才能を授けた」という説は、限りなく真実に近いと思う。だが、あらゆる能力を授かった究極の選手が極稀に現れる以外、ほとんどの選手に対して神は全てを授けない。すなわち、タレントと呼ばれる選手の多くは「不完全なタレント」に過ぎないと私は言いたいね。

 左足が驚異的でも右足が使えない選手、ビジョンがあってもピッチで具現化できない選手、スピードがあっても思考スピードの劣る選手……等々。選手には向上すべき事柄がごまんとあるだけに、スクールはその役割を果たさなくてはならないんだ。クロアチアのユースコーチは仕事をしっかりこなしている。そして、クロアチア人がサッカーの才能にあふれる民族なのは間違いない。だが素材が単なる素材だけに終わってしまってはダメなんだ。クロアチアには良い素材(=タレント)があり、良いコーチがいる。

――それらに加えて、良質な育成プログラムも必要になってきますよね?

 その通り。私はディナモ・ザグレブのユースアカデミー校長として優れたプログラムを掲げ、目覚しい仕事をやり遂げたと思っている。とりわけディナモでの最後の数年間は、ユース指導法における「ピリオダイゼーション」(トレーニング内容の期分け)をスタッフと一緒に体系化した。

 このプログラムがクロアチア・サッカー協会内で注目を浴び、全てのスクールとまではいかなくとも、国内の主要なスクールに導入されたのさ。今年もU -17代表がワールドカップ出場を決めたように、我われの育成プログラムはよく機能している。クロアチアは人口450万の小国だ。それだけにタレントは一人たりとも逃してはならない。そして、才能ある子供達全員の能力を最大限まで引き上げる必要があるんだ。

 クロアチアの実力が世界的レベルにあることは誰もが知っているはず。国内のサッカー界は良い方向に進んでいると思うが、改善すべき点を挙げるならば、サッカーへの財政投資、すなわちピッチやインフラの整備だ。育成における三本柱を挙げれば、一本目に選手、二本目にコーチあるいは育成プログラム、そして三本目が練習環境。クロアチアは一本目、二本目に優れたものがあるが、三本目はそうじゃない。そこを我われはどうにか解決せねばならないんだ。

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