「止める」「蹴る」「運ぶ」を疑う。大阪の強豪・RIP ACEの育成哲学
2018年10月26日
コラムドリブルの先に何があるのか
まず、二人の選手を使って一つ目のトレーニングのデモンストレーションを行った。周囲の選手は「どんな練習メニューなのか」と真剣に見つめている。簡単な説明が終わると、左右2レーンに分かれてトレーニングが始まった。一人の選手がゴールから少しサイド寄りにドリブルでボールを運ぶ。その後ろをもう一人の選手がサイドから中央へと走り込む。交差するタイミングを見計らってボールをスイッチし、シュートをするという練習メニューだった。
監督は「それだとシュートが遅れるわ」、「ナイス、タイミング」、「スピードが遅いな」と一人ひとりのプレーに目を配り、端的に言葉を投げかけている。5分ほど時間が経ち、練習を止めた。なぜならボールを運んでいる選手が何を意識してプレーしなければならないかの理解が不足していたからだ。
「この選手がここまでボールを運ぶと、どんなプレーができる?」「後ろから走り込んで来た選手と、どちらがシュートを打ちやすい?」「シュートを上手に打つ状況を作るには何が大事?」……状況を追いながら理解させ、その時々でどんな選択肢を持ってプレーするのかを説明していった。そして、トレーニングが再開した。
すると、子どもたちのシュート成功率は格段に上がった。それは選手の頭の中で状況ごとに何をしなければならないかが整理されたからだ。そのおかげでプレーに迷いがなくなり、動作に無駄がなくなってスピードが上がった。これこそが戦術と動作をコンセプトにした指導スタイルだろう。
目的は、ゴールを奪うこと。だから大切なのは、ゴールへ向かうということ。この場合は、ゴールへのスペースを見つけて攻撃を仕掛けることが大切。パスをした選手がどこに走るのか、ボールを受けた選手はどこへ運ぶのか、3人目の選手はどこでボールをもらいたいのか、これらを3人が状況を見て同時にそれぞれの意思で動くこと。ポイントは、相手がどう守っているのか。自分たちの形に持っていっても良いし、相手を動かすプレーを選択しても良い。ボールが主役になるのでそのボールをゴールの中まで運べたら攻撃の完了との意識を常に持つこと
『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.47』でドリブルをテーマに様々な方に取材をしたが、共通しているのは「ドリブルをした先に何があるのか」という選択肢を持ちながらプレーすることだ。このトレーニングの『運ぶ』にも状況に応じて選択肢を持ちながらプレーしていることがうかがえる。この練習で出会った子どもたちが今後どのように活躍するかが楽しみだ。
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