「どうしてシャビは利き足だけでプレーできるのか」。ボールの置き方次第で“世界”が変わる
2019年05月12日
育成/環境
【川崎フロンターレのスクールで4年間指導した森谷周平氏】
弟・賢太郎の筑波大時代を定点観測した結果…
指導者の道を歩み始めたばかりの森谷には、まだ相対的な水準が把握できていなかったが、実際にダノンの国内予選の幕が上がると、川崎の強さは「異常なほどだった」という。
チームを指揮した髙崎が語る。「フロンターレは組織だって攻守に連動する。よくそう言われましたが、そんな練習は1度もしたことがありません。ボールの持ち方次第で見えるものが変わってくる。持ち方が良ければ、周囲の状況も把握できるし、相手の癖を見抜く観察力も上がります。そういう子供たちが同じ狙いを持てば、勝手に守備でも連動を始める。攻撃だけではなく、守備力も劇的に向上しました」
森谷の弟は、横浜F・マリノス、川崎フロンターレを経て、現在ジュビロ磐田で活躍中の賢太郎である。プロ入り前は筑波大学で風間八宏監督(当時)の指導を受け、兄として定点観測が出来たのだが「弟が最上級生になる頃には、谷口彰悟、車屋紳太郎(以上川崎)、赤崎秀平(名古屋)、八反田康平(鹿児島)などチームメイトにも恵まれ、別格の強さだった」と回顧する。「風間さんは、ご自身でデモンストレーションして見せながら“自分のボールを置く位置は、ここでしょ”という言い方をしていました。そこならどこへでも蹴れるし、スクリーンターンも出来る。具体的に“どこ”とは言っていませんでしたが、それは必然的に利き足の前になると思います。両足の真ん中に置いたのでは、左右にはさばけても真っすぐに強いボールは蹴れませんからね。あの頃の筑波大は、パススピードの速さ、パスの止め方、止めてから蹴るまでの速さ、どこを取っても突出していました。これを見て、まだ高校生も伸ばせるな、と感じたものです。弟は(風間監督の指導で)“いつ何をどう見たら良いのか、目が整理された”と話していました」
その後森谷は高校教諭となり、国体や部活の指導経験を重ね、改めて置きどころの重要性を感じた。「メッシには、自分の立ち位置から、どうボールを運び、最後に左足を振り抜くかまでの形が描けています。それを考えずに、なんとなくボールを止めて、1対1から最後は仕方なくスピード勝負という展開では、世界では通用しない。逆に常に良い位置にボールを置く意識が浸透していれば、相手に対しての守備の判断も 共有され、非効率が消えていきます」
※「名手は本当に両足を使うのか?」をさらに読みたい方は発売中の最新号『フットボール批評issue24』からご覧ください。
【商品名】フットボール批評issue24
【発行】株式会社カンゼン
2019年5月7日発売
―「フロント力」が強くて魅力あるチームを作る―
Jリーグの序盤戦も終わるころ、それぞれのチーム状況も徐々に明白になってきた。その中で大きな変化を見せる3つのクラブがある。過渡期を経て、魅力的な攻撃サッカーを具現化している横浜F・マリノス。J2降格からチームを刷新し独自のスタイルを築き上げてきた名古屋グランパス。一時J3という深淵を見るも、再びJ1の舞台へと戻り、躍進している大分トリニータ。今号のフットボール批評では3つのクラブがV字回復を遂げた要因をそれぞれのキーパーソンへの取材から明らかにしていく。
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 長期離脱中に中心選手じゃなくなった
- 【バーモントカップ第24回全日本少年フットサル大会】秋田県大会
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2016年度の参加メンバー768名を発表
- 成長期におとずれる「クラムジー」に対して保護者と指導者は何をすべきか?