U14年代になっても“8人制サッカー”から脱却できないのはなぜか

2019年06月19日

育成/環境

6月の特集は「U12・14・16の大会から見る育成の現在地」と題し、各年代で見られた日本チームのプレーや海外チームのプレーなど、試合で起こった現象をもとに育成年代の課題やその修正の考え方について掘り下げていきたいと思う。特集第3弾では、U14年代の『東京国際ユースサッカー大会』を取り上げる。ジュニアユースから11人制に切り替わり、1年ほど過ぎた選手たちがどのようなプレーをしていたのか、そこから何が見えてくるのかについて書き記したい。今大会では、ブラジルのパルメイラスなどの海外チームも出場していたので、彼らがどうプレーしていたかも伝えていきたいと思う。
  
【取材対象】
3月 U12ダノンネーションズカップ 
4月 U16キリンレモンカップ    
5月 U12チビリンピック      
5月 U14東京国際ユースサッカー大会
  
なお、この企画は全国大会規模の試合で多く見受けられたプレーの傾向を前提にしていくが、地域の育成現場でも類似した現象はたくさん起こっていると感じている。そういう背景を考慮したうえで、ぜひ参考のひとつにしてもらえたらありがたい。
        
【6月特集】U12・14・16の大会から見る育成の現在地
     

取材・文・写真・図●木之下潤


     
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U14年代も8人制と変わらぬサッカーはなぜ?
     
 5月のGW期間中にU14年代の『東京国際ユースサッカー大会』を取材し、日本チームに感じたのは「8人制サッカーと変わらないサッカーをするな」ということだった。このことは何年も変わらない印象だ。この大会は海外から11チームが招待されているので、それぞれの試合を時間が許す限り観戦したが、日本チームは全体的に狭い範囲でサッカーを展開する。
  
 それを象徴する傾向のひとつが、攻撃時も守備時も幅と深さにさほど変化がないことだ。これはU12年代でもたくさん見られるが、今大会でも日本チーム同士の試合では、それが顕著に現れていた。そして、かなりの頻度で見受けられたことに、今年もまた驚きを隠せなかった。
  
 もう少し具体的にいうと、“攻撃から守備”“守備から攻撃”という切り替え時のチーム全体の立ち位置に、日本と海外では明確に違いがある。日本チーム同士の試合だと浮き彫りにならないが、海外チームとの試合になると明確にプレーの差として出る。ちなみに、今大会にはインドネシアのジャカルタ(選抜)が出場していたが、日本よりもいい立ち位置でサッカーを展開していた。そのことについては明言しておきたい。
  
 では、攻撃から守備での切り替え時に出てくる傾向のひとつを例に説明したい。
  
 日本チームによくある特徴のひとつに、プレッシングにかける人数の多さがあげられる。例えば、相手陣内のペナルティエリアに近いラインまで進み、残念ながらボールを奪われたときに日本チームはかなりの人数で奪い返そうとする。もちろん、その守備そのものが悪いわけではない。しかし、「全体の守備組織がどうなっているか」を把握せず、がむしゃらにボールを追いかけて守備をするシーンがあまりに目立つ。
   
 結果的に、優勝したブラジルのパルメイラスをはじめ、海外のチームにはその守備プレスを容易に突破されていた。U14年代になり、さらにサッカーをより大局的に見る目が養われている海外のチームに、日本チームは守備組織の穴を何個も認知され、簡単に守備が手薄になっているエリアへとボールを運ばれていた。そもそもU14年代ともなると、守備時にポジションに穴を作らないことは原則のひとつだと思う。それなのにチーム全体を見回した守備の立ち位置を各ポジションの選手たちが認識できていないことが頻発している。
  
 一体、どうしてこういう事態が起こってしまうのだろうか?
  
 まずジュニアからジュニアユースに上がり、何が変わったか。ピッチサイズが広がった。人数が増えた。ゴールサイズが大きくなった。だとすると、人とスペースの位置をより認識できるレベルはどんどん高めなければならない。なのに、8人制サッカーのときとさほど差異を感じられないのはなぜなのだろうか。
     

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