サッカー未経験者も知ってほしい! 戦術分析ブロガーが語る「もっと楽しくサッカーを見る方法」
2019年08月19日
戦術/スキル保護者がサッカーを理解すれば子どもたちの助けになる
――「日本のサッカーを変えたいとか、そんな気持ちはまったくなかった」というのはブログをはじめたときから同じ気持ちですか?
はい。ブログを始めたのが2006年くらい。当時はネットにも情報はそれほど出ていなかったですし、指導者講習会も今ほど多くはなかったんです。じゃあ『指導者として、サッカーを何から学ぶのが良いのだろう』と考えたときに『ピッチの中で起きていること』から学ぼうと思ったのがきっかけです。あくまで自分の勉強のためだったので、多くの人に見てほしいという気持ちもそれほどありませんでした。最初に書いてたのはビジャレアルとかですよ。(笑)
――そうなんですね。ただ、私が『アナリシス・アイ』を読んで、最初に感じたのは「わかりやすさ」でした。実際に執筆されるときは、どういった意図を持っていましたか?
子どもがサッカーをしている保護者の方たちに読んで欲しいと思い書きました。これは、4種(小学生年代)の指導をしている人間としての経験なのですが、指導者が子どもたち一人ひとりをずっと見続けるのは現実的にむずかしい。結局、自分の子どもが頑張っている姿を見て、子どもが歩む方向を判断するのは、その子の保護者になります。保護者がサッカーというスポーツをもっと理解すれば、必ずその子の助けになって、不幸な思いをする子どもは減ると思うんです。だから、サッカーをプレーしたことがない人たちにも、サッカーの見方として「こういう見方もあるんだ、こういう視点もあるんだ」と、新しいサッカーの楽しみ方を見つけてくれればいいな、という思いがありました。
――現場にいる指導者の立場から『小学生の保護者の方がサッカーを知ってきたな』という感覚はありますか?
ないですね。やはり、6年生が卒業すれば、また元に戻るという印象です。永遠にループしているので、学校の先生って大変だな…と。
――具体的な事例などありますか?
特に変わらないのは、ジュニアユースのチーム選び。チーム選びで優先されるのは、チームがどこのリーグに属しているだとか、どれくらい強いのかだとか、ネームバリューはどれほどなのかということ。これは昔から本当に変わりません。そのチームがどういうサッカーをしていて、自分のサイズ、プレーにどれだけ合うかを優先できる選手がほとんどいないんです。
――体は小さいけど、インテリジェンスがあるMFの選手が、中盤を省略して前線にボールを蹴り込むチームに行ったりとか…。
よくあるケースだと思います。
――そういう問題は実際に解決できると思いますか?
最後は選手本人と保護者の意思だと思っています。ただ、そういった事例が続いてからは、チームとして進路選びに介入するようにしました。
例えば「君は体は小さいけど、頭がいい。今、大人数のチームに行ったらたぶんレギュラーとして使ってもらうのはむずかしいよ」と、はっきりと情報を伝えた上で「どうするかは、自分で決めてください」と。そうしてからは、みなさん話を聞いてくれるようになりました。
あとは、保護者の方も「強いチームに入れたけど、うちの子にとっては失敗だった」と、教えてくれることも増えてきました。だから、うちのチームでは6年生の夏頃にかならずオフを入れて「ジュニアユースの公式戦を見に行け」と指導しています。公式戦であれば、そのチームの“真の姿”が学べるから。練習や体験練習会だけでは、嘘をつくことも可能なので。笑
――ここで『試合を見る』というのが大事になってくるんですね。
そもそも「このチームはこういうサッカーをするんだ」というのがある程度わからないとチームを選びようもないので。
――例えば、お母さんとジュニアユースの試合を見に行った帰りに「このチームのサッカーは〇〇だから、僕には合わないかもしれない」という会話ができるようになるのが理想的な進路選びなのかもしれませんね。
そうですね。
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